スイートオレンジ&ビターオレンジ精油の違いと光毒性

アロマメディエーターうえむらです。

親しみやすい香りから、アロマ初心者にも人気の高いオレンジ精油。

いざ買おうとしたら、「スイートオレンジ」「ビターオレンジ」の2種類ある。どっちを買えばいいの?

と、迷った経験はありませんか?

店頭なら、香りを嗅いで好みのほうを買う選択もできますが、ネット販売ではそうもいきません。

今回は、何が違うのかわからない、どちらを買うべきか悩む、という方のためのおせっかい記事です。

スイートオレンジとビターオレンジは、何が違う?

スイートオレンジとビターオレンジの精油(エッセンシャルオイル)は、原料となる植物の種類が違います。

どちらもミカン科の植物ではあるものの、学名も異なる別品種。

スイートオレンジ Citrus Cinensis
ビターオレンジ Citrus Aurantium

スイートオレンジは、私たちがふだん食用として慣れ親しんでいるオレンジ。

スイートオレンジ精油の原料はバレンシアオレンジなど

「バレンシアオレンジ」「ネーブルオレンジ」「ブラッドオレンジ」などです。

これらは、それぞれ外見や食用としたときの味や香りの特徴には、少し違いがありますが、どれも学名は同じ。

精油に使われるのは、ほとんどが生産量の多いバレンシアオレンジのようです。

アロマテラピーの現場で、特別な説明なくオレンジと呼んでいる場合は、こちらのスイートオレンジから抽出した精油のことと解釈してOKです。

一方のビターオレンジは、酸味や苦みが強いため、食用には果皮をママレードにしたり、スダチやカボスなどと同様、果汁を調味料にしたりして使います。

日本名は「橙(ダイダイ)」。

ビターオレンジ精油の原料は橙(ダイダイ)

そう、お正月の鏡餅の上にのせるアレ。

子孫繁栄の願いをこめて飾る、縁起物です。

日本で流通しているビターオレンジ精油は、以前は外国産ばかりでしたが、最近は「橙(ダイダイ)」の和名を商品名にした国産も出回っています。

スイートは青年の香り、ビターは大人の香り

柑橘系の精油は、すべて果皮から採ります。

抽出方法には、果皮を絞る圧搾法と、水蒸気で蒸留する水蒸気蒸留法の2つがあります。

スイート、ビターどちらも、熱による影響を受けない分、圧搾法で抽出した精油のほうが、香りはより本物に近くなります。

スイートオレンジ精油は、手で皮を剥いた瞬間、プシュッっと弾け飛ぶあの香りそのまま。

甘さとフレッシュな爽やかさが印象的ですよね。

一方のビターオレンジは、甘く爽やかな中に、苦みや深みが感じられます。

人に例えれば、スイートは青年、ビターが大人のイメージといったところでしょうか。

スイート&ビターオレンジ精油の使い道は、ほぼ同じ。だけど…

スイートオレンジ 精油とビターオレンジ精油、どちらもリモネンという成分が95%以上含まれています。

残りわずかの成分の違いが、それぞれの香りの印象の違いを生み出しているのですが、作用の面では、大部分がリモネンに由来するものなので、どっちもほぼ一緒。

抗菌、鎮静、血流増加などが主な作用です。

親しみのある香りということも手伝って、リラックス効果を得やすく、ストレス解消や安眠などに役立ちます。

香りを嗅ぐことで神経に作用し、心や体になんらかの効果をもたらすという使い方が最も一般的だと思います。

肌への作用はあまりないのですが、香りが好みだから使いたいという場合に、ひとつ気を付けていただきたいことがあります。

それは光毒性。

光毒性とは、精油が肌に付着した状態で紫外線を浴びると、シミや炎症などの皮膚トラブルを起こす性質のこと。

スイートオレンジ精油に光毒性はないと言われていますが、ビターオレンジ精油は要注意!

水蒸気蒸留法による精油ならば、光毒性に関与する成分が抽出されないので大丈夫。

でも、圧搾法によるビターオレンジ精油はキケンです。

国内産の柑橘精油は、ほとんど水蒸気蒸留ですが、外国産の柑橘精油は、ほぼ圧搾法で抽出されています。

抽出法は商品の説明書きや成分分析表にたいてい記載されているので、ビターを肌に使う際は、どちらなのか、きちんと確認してくださいね。

もしわからない場合は、夜、寝る前を除き、ビターオレンジ精油の肌への塗布は控えるのが無難ですよ。

スイートオレンジとビターオレンジの違い。つまり、こういうこと。

ここまで、文章で説明してきたことを、表にまとめると、つまりこういうことです。

スイートオレンジ精油とビターオレンジ精油の違いを比較

ここに「ふだんオレンジって言われている精油はスイートのほうですよ」ということと、「光毒性とは?」という説明加えれば、重要なことは、ほぼ網羅。

比較しやすくて、スーッと頭に入ってきますよね。

違い”シリーズ人気記事〉
「ハッカ精油とハッカ油は、違う?同じ?」

ビターオレンジは、果皮のほか、花からネロリ精油、枝葉からプチグレン精油を採ることができます。

なぜ 、 ネロリとプチグレンの精油はスイートオレンジではなく、ビターオレンジからなのかはよく知りません。

スイートオレンジの花や枝葉からは、採れないのか?採らないのか?

私が知っている限り、ビターが原料という説明書きしか見たことがなく、ネロリやプチグレンの精油の学名も、いつもビターのほう。

もし、スイートオレンジのネロリやプチグレンがない理由、 もしくはスイートオレンジのネロリやプチグレンの商品をご存知の方がいましたら、ぜひ教えてください!

MoaMoa Mommy
アロマに関する原稿執筆、監修等のご依頼は、HPの連絡フォームより承ります。

PP、PE、PET。どのプラスチック容器を選ぶのが正解?~アロマ講師が知っておきたいこと~

アロマメディエーターうえむらです。

精油がプラスチックを溶かすということは、ご存知の方も多いと思います。

だから、アロマのクラフト作りなどで使ったりするときの容器の素材には注意が必要なのですが、ひとくちにプラスチックといってもさまざまな種類があります。

どれがOKで、どれがNGなの?というギモンが湧いてきますよね。

以前、私が書いたアメブロの記事の中で、特にアクセス数が多い記事のひとつが「青、茶、緑。どの遮光瓶を選ぶのが正解?」。

これが人気なら、きっとプラスチック容器選びにも、悩めるアロマ好きさんがいるはず、ということで、おせっかい記事を書いてみます。

【追記】コロナ感染拡大以降、当記事へのアクセス数が増えています。プラスチック容器とエタノールの相性については、後半に記述しています。

精油はプラスチックを溶かす

食品などの販売でよく使われる発泡トレー(PS=ポリスチレン素材)にオレンジの精油を垂らすと、かなりのスピードでトレーが溶けて穴が空いてしまいます。

これはオレンジ精油に多く含まれる「リモネン」という成分がプラスチックを溶かす性質をもっているから。

リモネンはいろいろな精油に含まれています。

とくに柑橘系の精油に多く含まれているのですが、その中でも、オレンジ、グレープフルーツは97%前後という突出した数字。

発泡トレーに垂らすと、すぐにしゅわしゅわ~っと発泡し、穴を空けます。

私が試したところでは、オレンジは数分でトレーに穴を空け、リモネンの含有率が70%ほどのマンダリンでは、発泡してかなり溶かすものの、穴が空くところまではいきませんでした(たくさん垂らしたり、薄いトレーだと空くかも?)。

一般的にリモネンを2%ほど含むラベンダーとペパーミントも同時に垂らしてみましたが、目に見えて発泡するという現象は起こりませんでした。

ただ、ラベンダーは発泡しなかったものの、じわじわとトレーを溶かし、しばらくするとトレーが少しへこみました。

ペパーミントは、精油を垂らした跡だけが残り、目に見えるレベルでは、溶けた形跡はありませんでした。

精油、リモネンがプラスチックを溶かす実験
精油による、溶かし方の違い

精油がトレーの上で流れてしまったのですが、左から、真正ラベンダー、ペパーミント、マンダリン、スイートオレンジを滴下しています。

今回使ったペパーミントとラベンダー精油の溶かし方の違いについては、2つの理由が考えられます。

ひとつは、リモネンの含有量がラベンダーのほうが高かったということ。

もうひとつは、リモネン以外にプラスチックを溶かす性質のある成分がラベンダーに含まれていたということ(具体的に何の成分か私はわかりませんが)。

いずれにしても、リモネンを大量に含むオレンジやマンダリンの溶かし力がすごいことは確かです。

リモネンは商品としても存在するくらいですから、その力はお墨付き。

発砲スチロール溶解液▼
https://www.impact-onlineshop.com/d-limonene-2

この溶かす性質を生かしたリサイクルシステム(ソニーが開発)もあるくらいですから、その力は疑う余地なしです。

ご興味がある方は、リサイクルシステムについての記事をご覧ください(いよぎん地域経済研究センター/2002年)。

発泡スチロール処理に画期的なシステム登場-オレンジオイル“リモネン”を用いた高知のリサイクルプラント▼
http://www.iyoirc.jp/post_industrial/20020801/

リモネンは、プラスチックのみならず、ゴムや油なども溶かすため、その性質を生かして、さまざまな工業、製品造りに利用されています。

精油はどんなプラスチックも溶かすの?

リモネンを多く含む精油は、プラスチックを溶かす力が強いのは事実ですが、どんなプラスチックも同じように、というわけではありません。

プラスチックにもいろいろな種類があるので、精油に対して耐性の高いものもあります。

精油が入っているのはガラス瓶ですが、そのキャップやドロッパーはプラスチック製です。

だから、精油のキャップやドロッパーに使われている材質のものなら、安全性が高いことはわかりますね。

具体的に、どの種類のプラスチックなら安全性が高いのか、みてみましょう。

アロマ関連の製品を販売する生活の木の商品カタログに掲載されている「耐性の目安」の表から、情報を一部抜粋してご紹介します。

〇=種類・濃度に注意すれば使用可
△=キャップ・ドロッパーは使用可
×=適していない

PP  精油△/1%未満の植物油希釈〇
PE  精油△/1%未満の植物油希釈〇
PET  精油×/1%未満の植物油希釈〇

生活の木商品総合カタログ掲載「耐性の目安」表より

PP(ポリプロピレン)は、日用品、玩具、家電、車などに使われる素材。

PE(ポリエチレン)は、ポリ袋や食品の包装袋、ラップフィルムなどの素材として知られています。

PET(ポリエチレンテフタレート)は、飲料の容器でおなじみのペットボトルや、あったか素材で知られるフリースの素材です。

この情報から読み取れることは……。

希釈していない精油をプラスチック容器に入れることはやめましょう、ということ。

実際、プラスチック容器に入って売られている精油は見たことがありませんが、お友達に少し分けてあげたい、なんて思ったときにプラスチック容器に入れるのはご法度です。

また、1%未満の植物油希釈の解釈ですが。

植物油は、ムラなくきれいに精油を溶かす(希釈する)ことができるので、高濃度の精油が直接容器に触れることはありません。

しかし、たとえば水に1%の精油を入れただけでは、水と精油はまじりあわず、分離してしまうため、精油は上に浮いて、一部分が高濃度になります。

1%濃度という安全基準は、必ずしも植物油でないにしても、1%の精油を入れたとき、完全に混ざりあう基材であることが大切ということです。

これらは、あくまでも生活の木が提示している基準なので、絶対ではありませんが、目安として知っておくとよいでしょう。

〈アロマ講師が知っておきたいこと〉シリーズおすすめ記事☟
薬機法と「小分け販売」「分割販売」の違い

アロマで使うプラスチック容器、おすすめはどれ?

プラスチックの耐性の問題は、精油による溶解だけでなく、エタノールや熱なども、アロマテラピーを行う上で関係してきます。

PP、PEは、どちらもエタノールに対する耐性があります。

また、耐熱温度でみると、PPが90~130℃、PEが70~80℃となっています。

ちなみに、PETはエタノールへの耐性はありますが、耐熱温度が60~70℃。

これらも、生活の木の商品カタログで提供している情報です。

以上のことから判断すると、PPもしくはPEの容器を使うのが無難、とくに汎用性の高いPP素材が安心ということになります。

ご紹介した以外にも、もっと丈夫なプラスチックも、ひ弱なプラスチックも存在しますが、今回はとくに一般的なこの3種類について言及してみました。

キャップやドロッパーの材質は、通常、精油が入っている箱などに明記されていると思いますので、ぜひ、確認してみてください。

キャップやドロッパーならOKとされているPPやPEですが、精油瓶を寝かせて保存したりすると、それなりの量の精油がつねにキャップやドロッパーに触れている状態になってしまい、安全性は低下します。

保管する際は、必ず精油瓶を立ててくださいね。

それから、クラフト製作のための容器を準備するとき、費用を抑えるために百均などで購入することもあるかと思います。

でも表示をよく見ると、「アルコールは使用しないでください」といった注意書きがあったりします。

当然といえば当然ですが、安価なものは、えてして機能性、耐性などの面で劣りがちです。

用途に適したものであるか、素材の種類や注意書きをよくみて、購入・使用することをおすすめします。

MoaMoa Mommy
精油、基材、道具選びに関してのご相談や「アロマの基本のキ」講座の受講のご希望は、HPの連絡フォームより承ります。