ラベンダーアングスティフォリア、ラバンディン、スパイクラベンダー、ラベンダーストエカス。4つのラベンダー精油の違い

アロマメディエーターうえむらです。

ラベンダーといえば、リラックスに効果的な精油の代表といった印象ですが。

じつはラベンダー精油には、いくつか種類があって、リラックス効果なんて得られない精油も存在するってご存知ですか?

今回は、えっ、そんなこと知らないよ~!というあなたや、ラバンディンってラベンダーなの?というあなたのためのおせっかい記事です。

4種のラベンダー精油

ラベンダーに限らず、植物って同じ名前で呼ばれていても、じつは品種が異なるものがたくさんあったりします。

元の植物の品種が違うと、精油の特徴、つまり成分も香りも作用も違ってきます。少し違うもの~かなり違うものまでさまざまです。

ラベンダー精油として一般に販売されているものは、次の4種類。

①真正ラベンダー(ラベンダーアングスティフォリア)
②ラバンディン
③スパイクラベンダー(ラベンダースピカ)
④ラベンダーストエカス

②のラバンディンは、①の真正ラベンダーと、③のスパイクラベンダーの交配・交雑種。

ハーフなので、成分や香りなど、両方の要素を持ち合わせています。 主な成分を表組で見てみると、そのことがよくわかります☟

4種類のラベンダー精油の成分

精油は天然のものなので、原料となる植物の生育地、時期などによって、成分組成は違ってきます。

上記の表の数字はあくまでもサンプルで、実際はメーカーやロットごとに少しずつ(場合によってはかなり)異なるのですが、ここでは、理解しやすいよう、この数字を参考に説明をしていきますね。

真正ラベンダー精油とラバンディン精油、違いと共通点

一般に知られているラベンダーの鎮静作用は、主に「リナロール」「酢酸リナリル」という成分に由来します。このうち、とくに鎮静作用が高いのは「酢酸リナリル」。

「リナロール」はフローラルな印象、「酢酸リナリル」はフローラル+フルーティーな印象、どちらも甘さを感じる香りです。

この2つの成分は、真正ラベンダー、ラバンディンともに多く含まれていて、“ラベンダーらしい香り”の正体にもなっています。

真正ラベンダー ラベンダーアングスティフォリア
真正ラベンダー(ラベンダーアングスティフォリア)
ラバンディン ラベンダーグロッソ
ラバンディンの中の“グロッソ”と呼ばれるタイプ

なので、真正ラベンダー、ラバンディン、どちらの精油の香りを嗅いでも、多くの人はラベンダーと認識しますが、テレビや本などでラベンダーと呼ばれて紹介されているのは、真正ラベンダーです。

真正ラベンダーとラバンディンは、違う点より共通点のほうが多いといってもいいかもしれません。でも、両方の精油を嗅ぎ比べると、確かな違いがあります。

真正ラベンダーの香りはフローラルな印象が強いのに対し、ラバンディンは、それに加えて少しスーッというかツンというか、爽やかな印象があるのです。

これは「カンファー」という成分が、ラバンディンに7%含まれていることで感じる香り。真正ラベンダーには、ほとんど(もしくは全く)含まれていません。

ラバンディンに含まれる「カンファー」は、スパイクラベンダーから受け継いだ成分で、神経を覚醒させる作用をもっています。

つまり、どちらの精油にも鎮静作用はあるものの、ラバンディンは覚醒作用のある「カンファー」を7%含んでいるため、リラックス効果の高さは、真正ラベンダーに軍配があがるということになります。

どちらの精油も「リナロール」を多く含むので、鎮静作用のほかに、鎮痛作用や肌の抗炎症作用などもあります。

真正ラベンダーとラバンディンでは、ラバンディンのほうが暑さへの耐性もあり、丈夫で生育が早い、採油量が多いなどの理由から、同じブランドでも、精油はラバンディンのほうが安価なことが多いです。

今回、詳細の説明は省きますが、ラバンディンは、成分が真正ラベンダー寄りのものと、スパイクラベンダー寄りのものがあり、その成分の偏り方によって、それぞれ別の精油名で販売されることもあります。

スパイクラベンダーは、どんな精油?

スパイクラベンダーは、上記の成分の表を見てわかる通り、とくに強い鎮静作用を持つと言われる「酢酸リナリル」が含まれていません(メーカーによっては含む)。

一方、覚醒作用のある「カンファー」を14%含んでいます。これは瘢痕形成作用をもつため、小さな傷や、やけどの手当に、とくに有効とされています。

そのほかに多く含まれる「1.8シネオール」は、呼吸器系に有効に作用する成分で、神経への働きとしては覚醒。

鎮静作用のある「リナロール」は、それなりの量が含まれているものの、総合的にみると、真正ラベンダー、ラバンディンのような鎮静効果は期待できないといっていいでしょう。

ブランドによる成分の差も大きいようなので、成分分析表でしっかり確認して使うのがおススメです。

成分分析表の見方がわからないアロマ初心者さんは、専門家(アロマ講師など)に相談してから使うのがよいでしょう。

ラベンダーストエカスは、どんな精油?

ラベンダーストエカスは、もはや私たちがラベンダーと認識している香りとは似て非なるもの。作用も別モノです。見た目にも、けっこうな違いがあります。

ラベンダーストエカス(フレンチラベンダー)
ラベンダーストエカス

「フェンコン」、「カンファー」を多く含むラベンダーストエカスの主な作用は、粘膜溶解、脂肪溶解、皮膚の瘢痕形成、覚醒など。

精油を販売している、とあるサイトで「成分はフェンコン、カンファー等で、他のラベンダーとは少し異なるが効能は似ている」と説明されているのを見かけましたが。

スパイクラベンダーには多少、似ている部分もなきにしもあらずですが、真正ラベンダーときた日には、作用、香り、何もかもまったくといっていいほど似ていません(^^;

「フェンコン」、「カンファー」はケトン類というグループに属す成分で、高濃度で使ったりすると神経毒性があると言われています。

ケトン類を65%も含むストエカスは、使用にあたって注意が必要です。

ちなみに、ラベンダーフランスという名称で販売されているラベンダーがありますが、これはフレンチラベンダーの意味ではなく、フランス産(原料の生産地)のイングリッシュラベンダーのこと。

紛らわしいですが、一番、リラックス効果が高く、安全性も高いタイプなので、安心してお使いください。

成分分析表の見方を知っていれば、このような精油の名称に惑わされることなく正しく扱えるのですが、アロマ初心者さんには無理なことなので、ラベンダーストエカスも、専門家に相談してから使うのがおススメです。

リラックス効果が一番高いラベンダーは?

ここまで読んで、もうおわかりかと思いますが、リラックス効果が一番高いのは①の真正ラベンダーで、以下②③④の順となります。

私たちが、ふだんラベンダーと言っているのは、真正ラベンダーのことですが、安価なラバンディンを真正ラベンダーであるかのように思わせて販売する、真正ラベンダーに一部混ぜ込む、といったこともあると、よく耳にします。

また、使用に最も注意が必要なのは④のラベンダーストエカスで、以下③②①の順となります。

香りの印象の違いや、成分分析表で成分を確認できる知識を身に着けると、より安全に、より効果的にアロマテラピーを楽しめますよ(#^.^#)

ラベンダー以外にも、まぎらわしい精油については、カテゴリー分類して“違い”シリーズとして記事を書いています。たとえば☟

ペパーミント精油とハッカ精油の違い、
わかりますか?

違い、わからないよ~という方は、ご覧ください。

悩んだときに、どっちを買えばいいか、どう使えばいいかのヒントになると思います。

知っておいて損はありませんよ(^_-)-☆

MoaMoa Mommy
アロマテラピーの化学の基礎を短時間で学びたい方は「メディカルアロマセルフケア講座」がおすすめ!HPの連絡フォームより承ります。

PP、PE、PET。どのプラスチック容器を選ぶのが正解?~アロマ講師が知っておきたいこと~

アロマメディエーターうえむらです。

精油がプラスチックを溶かすということは、ご存知の方も多いと思います。

だから、アロマのクラフト作りなどで使ったりするときの容器の素材には注意が必要なのですが、ひとくちにプラスチックといってもさまざまな種類があります。

どれがOKで、どれがNGなの?というギモンが湧いてきますよね。

以前、私が書いたアメブロの記事の中で、特にアクセス数が多い記事のひとつが「青、茶、緑。どの遮光瓶を選ぶのが正解?」。

これが人気なら、きっとプラスチック容器選びにも、悩めるアロマ好きさんがいるはず、ということで、おせっかい記事を書いてみます。

【追記】コロナ感染拡大以降、当記事へのアクセス数が増えています。プラスチック容器とエタノールの相性については、後半に記述しています。

精油はプラスチックを溶かすってホント?

食品などの販売でよく使われる発泡トレー(PS=ポリスチレン素材)にオレンジの精油を垂らすと、かなりのスピードでトレーが溶けて穴が空いてしまいます。

これはオレンジ精油に多く含まれる「リモネン」という成分がプラスチックを溶かす性質をもっているから。

リモネンはいろいろな精油に含まれています。

とくに柑橘系の精油に多く含まれているのですが、その中でも、オレンジ、グレープフルーツは97%前後という突出した数字。

発泡トレーに垂らすと、すぐにしゅわしゅわ~っと発泡し、穴を空けます。

私が試したところでは、オレンジは数分でトレーに穴を空け、リモネンの含有率が70%ほどのマンダリンでは、発泡してかなり溶かすものの、穴が空くところまではいきませんでした(たくさん垂らしたり、薄いトレーだと空くかも?)。

一般的にリモネンを2%ほど含むラベンダーとペパーミントも同時に垂らしてみましたが、目に見えて発泡するという現象は起こりませんでした。

ただ、ラベンダーは発泡しなかったものの、じわじわとトレーを溶かし、しばらくするとトレーが少しへこみました。

ペパーミントは、精油を垂らした跡だけが残り、目に見えるレベルでは、溶けた形跡はありませんでした。

精油、リモネンがプラスチックを溶かす実験
精油による、溶かし方の違い

精油がトレーの上で流れてしまったのですが、左から、真正ラベンダー、ペパーミント、マンダリン、スイートオレンジを滴下しています。

今回使ったペパーミントとラベンダー精油の溶かし方の違いについては、次の理由が考えられます。

リモネンには、Dリモネン、Lリモネンの2タイプあります。この違いについての説明は、ここでは割愛しますが、発砲トレーを溶かすのは Dリモネン の性質。

スイートオレンジやマンダリンは、そもそもリモネンの含有量が多いうえ、そのほとんどがDリモネンなので、溶かす力もすごいわけです。

そして、ラベンダーに含まれているリモネンはDリモネン主体なので、多少ではありますが、少しトレーを溶かしたのでしょう。一方のペパーミントはLリモネン主体。目に見えて溶かす結果にはならなかったのではないかと思います。

Dリモネンは商品としても存在するくらいですから、その力はお墨付き。

発砲スチロール溶解液
https://www.impact-onlineshop.com/d-limonene-2

この溶かす性質を生かしたリサイクルシステム(ソニーが開発)もあるくらいですから、その力は疑う余地なしです。

ご興味がある方は、リサイクルシステムについての記事をご覧ください(いよぎん地域経済研究センター/2002年)。

発泡スチロール処理に画期的なシステム登場-オレンジオイル“リモネン”を用いた高知のリサイクルプラント▼
http://www.iyoirc.jp/post_industrial/20020801/

リモネンは、プラスチックのみならず、ゴムや油なども溶かすため、その性質を生かして、さまざまな工業、製品造りに利用されています。

精油はどんなプラスチックも溶かすの?

リモネンを多く含む精油は、プラスチックを溶かす力が強いのは事実ですが、どんなプラスチックも同じように、というわけではありません。

プラスチックにもいろいろな種類があるので、精油に対して耐性の高いものもあります。

精油が入っているのはガラス瓶ですが、そのキャップやドロッパーはプラスチック製です。

だから、精油のキャップやドロッパーに使われている材質のものなら、安全性が高いことはわかりますね。

具体的に、どの種類のプラスチックなら安全性が高いのか、みてみましょう。

アロマ関連の製品を販売する生活の木の商品カタログに掲載されている「耐性の目安」の表から、情報を一部抜粋してご紹介します。

〇=種類・濃度に注意すれば使用可
△=キャップ・ドロッパーは使用可
×=適していない

PP  精油△/1%未満の植物油希釈〇
PE  精油△/1%未満の植物油希釈〇
PET  精油×/1%未満の植物油希釈〇

生活の木商品総合カタログ掲載「耐性の目安」表より

PP(ポリプロピレン)は、日用品、玩具、家電、車などに使われる素材。

PE(ポリエチレン)は、ポリ袋や食品の包装袋、ラップフィルムなどの素材として知られています。

PET(ポリエチレンテフタレート)は、飲料の容器でおなじみのペットボトルや、あったか素材で知られるフリースの素材です。

この情報から読み取れることは……。

希釈していない精油をプラスチック容器に入れることはやめましょう、ということ。

実際、プラスチック容器に入って売られている精油は見たことがありませんが、お友達に少し分けてあげたい、なんて思ったときにプラスチック容器に入れるのはご法度です。

また、1%未満の植物油希釈の解釈ですが。

植物油は、ムラなくきれいに精油を溶かす(希釈する)ことができるので、高濃度の精油が直接容器に触れることはありません。

しかし、たとえば水に1%の精油を入れただけでは、水と精油はまじりあわず、分離してしまうため、精油は上に浮いて、一部分が高濃度になります。

1%濃度という安全基準は、必ずしも植物油でないにしても、1%の精油を入れたとき、完全に混ざりあう基材であることが大切ということです。

この数字は、あくまでも生活の木が提示している基準なので、絶対ではありませんが、目安として知っておくとよいでしょう。

〈アロマ講師が知っておきたいこと〉シリーズおすすめ記事☟
薬機法と「小分け販売」「分割販売」の違い

アロマで使うプラスチック容器、おすすめはどれ?

プラスチックの耐性の問題は、精油による溶解だけでなく、エタノールや熱なども、アロマテラピーを行う上で関係してきます。

PP、PEは、どちらもエタノールに対する耐性があります。

また、耐熱温度でみると、PPが90~130℃、PEが70~80℃となっています。

ちなみに、PETはエタノールへの耐性はありますが、耐熱温度が60~70℃。

これらも、生活の木の商品カタログで提供している情報です。

以上のことから判断すると、PPもしくはPEの容器を使うのが無難、とくに汎用性の高いPP素材が安心ということになります。

ご紹介した以外にも、もっと丈夫なプラスチックも、ひ弱なプラスチックも存在しますが、今回はとくに一般的なこの3種類について言及してみました。

キャップやドロッパーの材質は、通常、精油が入っている箱などに明記されていると思いますので、ぜひ、確認してみてください。

キャップやドロッパーならOKとされているPPやPEですが、精油瓶を寝かせて保存したりすると、それなりの量の精油がつねにキャップやドロッパーに触れている状態になってしまい、安全性は低下します。

保管する際は、必ず精油瓶を立ててくださいね。

それから、クラフト製作のための容器を準備するとき、費用を抑えるために百均などで購入することもあるかと思います。

でも表示をよく見ると、「アルコールは使用しないでください」といった注意書きがあったりします。

当然といえば当然ですが、安価なものは、えてして機能性、耐性などの面で劣りがちです。

用途に適したものであるか、素材の種類や注意書きをよくみて、購入・使用することをおすすめします。

MoaMoa Mommy
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カルチャースクールのアロマ講師は、どうやってなるの?いくら貰えるの?

アロマメディエーターうえむらです。

アロマテラピーの講師の資格を取得した方なら、一度くらいは考えたことがあるのではないでしょうか。

カルチャースクールの講師って、どうやったら、なれるんだろう?

一体、いくら貰えるんだろう?って。

気になるけど、一歩踏み出せない皆様のために、おせっかい記事を書いてみます。

私の経験から……。まずは応募

じつは私は、カルチャースクールでのアロマ講師の経験はありません。

約10年前、アロマではない別の講師資格をもっていて、たった1度だけ、体験講座をしたことがあります。

そのときの経験から得た情報なので、1つのケースとしてお読みください。

スクール名を、仮にAカルチャースクールとしますね。

まずは、AカルチャースクールのHPに講師募集の告知をみつけ、フォームに必要事項を記入して送信しました。

すると後日、電話がかかってきて、私が希望するB会場では、その講座を行うのにふさわしい部屋の空き時間がないので、もう少し離れたC会場なら可能ということで、ご案内いただきました。

Aカルチャースクールでは、すでにたくさんの講座が開講されているので、空いているコマがそもそも少なく、とくにB会場は、どの部屋のどの時間枠もほとんど空きがないという状態でした。

ちなみに、私がやろうとしていた講座は、その時B,Cどちらの会場でもやっている先生はおらず、過去実績にもなかったようです。

そこで、まずは体験講座を開催し、本講座に誘導しては?というアドバイスをいただきました。

初めてのことだったので、ありがたくその提案に従うことにしました。

カルチャースクールの講師は、カルチャースクールから依頼があって開催するということもあるとは思いますが、それはレアケース。

講師が自らWEBのフォームや電話で応募して、自分に何ができるかをアピールし、魅力を感じていただいたら、枠をもらえるというのが一般的だと思います。

ぶっちゃけカルチャースクールの講師料って、いくら?

気になりますよね。

カルチャースクールと講師は雇用関係ではありません。

あくまでも、委託契約。

受け取るのは、給与ではなく講師料です。

講師料は固定ではなく「歩合」ということでした。これは、多くのカルチャースクールで採用されている方法。

そのときのAカルチャースクールでは、講師とスクール側が5:5ということでした。

材料費がかかる場合、それは別途、当日、参加者から講師が受け取ります。

交通費は、講師が受け取った講師料から講師が負担します。

まず、体験講座をいくらで開催するか、そして本講座を開講することになった場合はいくらにするか?

さらに、本講座は何回の講座にして、何人以上で開講とするかを聞かれました。

聞かれたといっても、何せ初めてのことで、どうしたらいいのかもわからず、体験講座は500円でいかがですか?と言われて、はいそれで、ということで。

本講座は1,500円くらいがよろしいと思いますよと言われ、はいそれで、ということで。

本講座は確か4回だか5回だかの設定だったと思いますが、記憶が定かではありません。最低開講人数は2人か3人にしたような気がします。

告知は、AカルチャースクールがチラシとWEBでしてくれました。

体験講座には、5人の申し込みがあり、1人が体調不良で当日不参加。4人が参加してくださいました。

体験講座で得たのは、500円×4人÷2=1,000円でした。

と、言いたいところですが、源泉徴収(後日、確定申告で戻っています)、振込手数料も引かれていて、振込額は840円。

交通費はバスと電車を乗り継ぐため、往復で約1,000円。

微妙~に赤字になりました💦

そして、当時(2009年)、5:5だった講師料。

今は、どこのカルチャーも講師側の取り分は少なくなり、4:6くらいが一般的なようです。

別のカルチャーで教えていた知り合いの先生(アロマ講師ではありません)も、以前は、同じく5:5だとおっしゃっていたのですが、最近、「契約料引き下げを更新し続けている」と書かれているのをSNSで見ました。

カルチャースクールでの講師料事情は、厳しくなっているようです。

本講座は開講せず・・・・・・のワケは?

結局、体験講座に来てくださった4名は一人も、本講座には申し込んでいただけませんでした。

不参加になった1名の方は、体験には行けないけど、本講座に参加したいとおっしゃってくださっていたそうなのですが。

1,500円÷2=750円

ここから、交通費、源泉徴収、振込手数料を引いたら、間違いなく赤字です。

余裕をもって行くため、往復にかかる時間は2時間以上、講座が1時間。もちろん、事前の準備も必要。

費用対効果だけでみれば、約4時間の労働は、まったく報われません。

何より、当時1歳になったばかりの娘を、同居していた義父に預けて出かける身としては、それだけの価値を見出せず。

体験に行けなくても、本講座には行きたいとおっしゃってくださっていた方には、本当に申し訳ない気持ちでしたが、開講は見送りました。

せっかく体験に来てくださった方を本講座へ取り込めなかったのは、経験も浅かった私の力不足によるところが大きかったのでしょうが、他にもいくつかの要素が絡んだ結果だったと思います。

業界のことを少し知る、という経験をして終わりました。

アロマテラピー講座に置き換えて考えてみる

カルチャースクールの講師といっても、それには大きく2つのタイプがあります。

1つは、先生の話を聞く教養講座のようなものや、ヨガなど先生が前で声掛けしたり見本を見せたりして、それを真似てもらうタイプの講座。

この場合、受講者が1人でも30人でも、先生のやることは、あまり変わりません。参加者数が多くなっても、さほど負担が増えることはないのです。

つまり、定員を多く設定できる→受講単価を下げやすい→人が集めやすい傾向があるのではないでしょうか。

1,000円で20人集まったとすると、50%なら10,000円、40%なら8,000円の収入になります。

一方、アロマの場合はどうでしょう。

アロマテラピーの講座は、どこで行うにしても、受講者の人数によって、準備も当日も負担が大きく左右されます。

講師が講義をするだけなら、前述のタイプと一緒ですが、通常、アロマの講座にはクラフト作りの実習があります。というか、これこそがメインイベント!

アロマクラフト製作の風景
クラフト製作実習はアロマ講座のメインイベント!

その際、香りの選択や、材料を量ったり、加えたり、混ぜたりといったことが行われます。

現場をイメージしていただければわかることですが、実習では材料や道具を共有することになり、人数が増えると、その分、待ち時間は増えるのです。

この待ち時間が多くなればなるほど、受講者の満足度が下がっていきます。

待ち時間を少なくしようと、たとえば計りを3つとか、計量スプーン4本とか、ラベンダー精油2本とか揃えるとしたら……。新しいクラフト製作をするたびに、コストが嵩んでいきます。

また、精油や基材など、ふだん馴染みの薄いものを使うため、注意が必要になり、講師は参加者から目が離せません。製作するクラフトにもよりますが、1人で見られる限界は、私の経験上、8人くらいです(6人くらいまでがベストですが)。

めいっぱいの8人を定員にして、8人集まることを仮定(いや、妄想?)すると。

1,000円の講座なら、50%で4,000円、40%で3,200円の収入です。

うーん、それじゃあちょっと、ということで、受講費を2,000円にしてみましょうか。

これなら、50%で8,000円、40%で6,400円の収入です。まあ、許容範囲?

でも、1,000円の講座に比べたら、やっぱり受講の敷居は高いですよね。材料費と合わせると、1回が3,000円くらい?

単発講座なら、たいした負担ではないかもしれませんが、数回で1クールにすることが多く、4回だと12,000円。6回だと18,000円ですからね。

8人集めるのは、簡単ではないと思います。

もし、2,000円の受講費で受講生が定員の半分の4人だったら、50%で4,000円、40%で3,200円の収入。

あらら、1,000円で8人と同じ金額になってしまいました。

講師料は安いけど、メリットもいろいろ

さてさて、いかがでしたか。

講師料だけで見たら、正直、すくなっ!ですよね。

でも、カルチャースクールで講師をするメリットって、いろいろあるのも事実。

“〇〇カルチャースクールの講師”という肩書は、それなりに箔が付きます。新人講師でもチャンスがあるので、講座慣れ=勉強の場になります。

場所代や机などの備品代も光熱費もスクールもち。募集はカルチャースクールが。そのほか、さまざまなことを代行してくれます。

そのコスト(自分の人件費も含めて)を考えたとき、たとえば「売上の60%がカルチャースクール」を多いと思うか、妥当だと思うか。

講座のタイプや内容にもよりますし、自分自身の立場や経験にもよりますよね。

私は、先述の理由で開講を見送り、自宅での開催をメインにやっていましたが、やはり集客は楽ではありせんでした。

でも、それなりに努力を続け、お招きいただいたり、コラボしたりも含め、なんやかんや5年間で数百人の方とのご縁をいただきました(思うところあって辞めましたけど)。

準備や往復の時間なども考えると、カルチャースクールでアロマをやって儲けるのは、正直、とても難しいと言っていいでしょう。

でも、儲け以外のメリットはたくさんあるので、両者を天秤にかけて、チャレンジするかどうかは、あなた次第。

ということです。

最近、カルチャースクールの講座の一覧を見ていると、以前に比べて、アロマはかなり減っているという印象です。

アロマの資格取得者は増えているはずなのに。

世の中、そう甘くはないってことですね。

まあ、悩んでいても仕方ないので、気になるなら、まずは応募して、詳しい話を聞いてみてはいかがでしょう。

どんなことも、地道にコツコツ、です。

MoaMoa Mommy
お好きなアロマクラフトを好きな時に作りたい方は、「パーソナルクラフト製作」がおすすめ!ご希望は、HPの連絡フォームより承ります。

アロマオイル、エッセンシャルオイル、精油は、違うもの?「アロマオイル」の落とし穴

アロマメディエーターうえむらです。

アロマをよく知らない多くの方々にとって、アロマテラピーで使う香りのオイルは「アロマオイル」。

いえ、最近ではアロマを仕事にしている方でさえ、普通に「アロマオイル」と口にするほどに浸透しているこの呼び方。

一方で、エッセンシャルオイル、精油と言う人もいて、アロマオイルとの違いが、いまひとつわからない。

今回は、そんな方々のためのおせっかい記事です。

“精油”が、いつのまにやら“アロマオイル”

1980年代、アロマテラピー(芳香療法)という言葉が日本に紹介され、1995年にロバート・ティスランドの『芳香療法の理論と実際』が翻訳・発行されてから、かれこれ25年。

アロマテラピーという言葉は、いまや多くの人に知られるものとなっています。

とはいえ、いまだ「香りを使った癒し」程度の認識が一般的で、アロマテラピーの実態は勉強をした人以外は、あまりよくわかっていないというところでしょうか。

私がアロマを学び始めたのは、たぶん今から23年前。その頃、アロマテラピー市場に「アロマオイル」という呼び方はなかったように思います。

アロマテラピーで使うのは、植物から採れる100%天然の香りのオイルで、それは「エッセンシャルオイル」「精油」と呼ぶと教わりました。

「アロマオイル」と「エッセンシャルオイル」と「精油」の違い

厳密にいうと、抽出の仕方などによる呼び方の違いがあるのですが。

植物から採れる100%天然の香りのオイルと、そうでないものを区別するための呼び名として、英語の「エッセンシャルオイル」、日本語の「精油」、どちらでも好きなほうを使えばOK!

だったのです。ところが……。

いつのまにやら「アロマオイル」がアロマテラピーで使うオイルの名称のように広まっていきました。

本当に、いつのまにやら……。

「アロマオイル」は通称

「アロマテラピー用のオイル」が省略されて「アロマオイル」ということなのかもしれませんが、この言葉には、落とし穴があります。

まず、アロマというのは、フランス語で「香り」を意味する言葉。ここに「植物」とか「100%天然」の概念はありません。

一方、「エッセンシャルオイル/精油」という言葉には「植物から採れる100%天然の」という意味が含まれています。

ここで「アロマオイル」、「エッセンシャルオイル/精油」の意味を整理すると、こういうことです↓

・アロマオイル=香りのオイル
・エッセンシャルオイル/精油=植物から採る100%天然のオイル

そして「アロマオイル」という言葉の解釈を整理すると、こういうことです↓

A.アロマテラピー用の100%天然のオイルの“通称”
B.香りがするオイルの“総称”

2通りの解釈があります。これこそが、落とし穴。

Aさんが合成香料の「アロマオイル(B.総称)」を売り、Bさんはそれを100%天然の「アロマオイル(A.通称)」だと思って買う。

100%天然でも、100%合成でも、天然と合成のミックスでも、香りがするオイルならどれも「アロマオイル」と言って間違いではありません。

だから当然、Aさんが合成香料に「アロマオイル」と表記して売ることに、なんら問題はないのです。

自分は天然のものだと思って買った・使ったものが合成香料だったとしても、あなたが勝手にそう思っただけでしょ、と言われれば、その通り。

不親切だ!と不平不満を言ったところで、誰にも、なんの保障も責任も問えないのです。

「天然アロマオイル」はOK?もう1つの落とし穴

最近は、ヘアケアやコスメ、洗浄剤など、多くの市販品に「天然アロマオイル配合」とか「天然アロマの香り」という宣伝文句が使われています。

アロマとか、アロマオイルという言葉に「天然」という枕詞がついていれば、「エッセンシャルオイル/精油」を指していると解釈するのが妥当です。

ただし、ここにも落とし穴が。

「天然アロマオイル配合」は、天然の香りのみとは限らないということです。

1%が天然で、99%が合成でも、天然の香りを配合しているのは事実。100%天然だと思ったのに……は、やっぱり、あなたが勝手にそう思っただけでしょ、ということに。

不親切だ!と不平不満を言ったところで、誰にも、なんの保障も責任も問えないのです。

「天然アロマの香り」は、言わんとしていることはわかりますが、日本語的にツッコミどころが。

先程も触れたように、アロマの意味は香り。普通に日本語にすると「天然の香りの香り」。

「頭痛が痛い」「馬から落馬する」的な(笑)

また仮に、アロマを「エッセンシャルオイル」と読み替えたとすると、今度は「天然のエッセンシャルオイルの香り」となります。

いいんじゃない?という気もしますが。

エッセンシャルオイルには、天然の意味が含まれています。なので、重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、普通に日本語にすると。

「天然の100%天然のオイルの香り」という感じになるわけです(^^;

アロマテラピーは“自己責任”だから気を付けて!

アロマテラピーで使うのは「エッセンシャルオイル/精油」と教わり、編集者・ライターとして、日本語表現に気を使ってきた私としては、「天然アロマの香り」なんて、どうにも気持ちが悪い(笑)

シンプルに「エッセンシャルオイル(の香り)」か「100%天然(の香り)」でいいのに、と思うのですが。

いまはもう「アロマオイル」がアロマテラピーで使う香りのオイルで、それは100%天然なんだ!

というイメージが、多くの人に刷り込まれてしまっているから。

正しくなくても、変でも「アロマオイル」と表現するのが、最も伝わりやすいんでしょうね。

だから、通称としてはこれでOK!と思っているんです。

なのに、こんなメンドクサイおせっかい記事を書いた理由、言葉の意味を正しく知ってほしい一番の理由は……。

「アロマオイル」=100%天然の香りとは限らない。合成香料だらけの安物を掴まされても、健康被害などが起きても、すべて自己責任だから気を付けてね!

ということ。

みなさんが、気持ちよく、安全に植物の恵を享受できることを心より願っています!

MoaMoa Mommy
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「ペパーミント精油」と「スペアミント精油」の違いを知りたい!答えはメントールの〇〇

アロマメディエーターうえむらです。

ペパーミントもスペアミントも、「名前はどっちも知ってるよ!」という方が大半ですよね。

でも、それらの違いをご存知の方は、少ないかもしれません。

ハッカ精油とペパーミント精油の違いについては、先日のおせっかい記事でお伝えしました。

ペパーミント精油とハッカ精油の違い、
わかりますか?

こちらの記事に書いた内容と一部重複しますが。

今回は、ペパーミント精油とスペアミント精油の違いについて、おせっかい記事を書いてみます。

ペパーミントとスペアミントは、親子の関係

ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントが交雑して生まれた品種と言われています。

つまり、ペパーミントとスペアミントは、親子の関係にあり、品種の違う植物であるということ。

片方の親のウォーターミントは、別名「ミズハッカ」「ヌマハッカ」。その名前からも想像できる通り、沼地や湿地で育つ湿性植物です。

もう片方の親のスペアミントは、葉の先が槍(Spear)のようにとがった形状をしていることがその名の由来。「オランダハッカ」「ミドリハッカ」などの別名があります。

・ウォーターミント(ミズハッカ) Mentha aquatica
・スペアミント(オランダハッカ) Mentha spicata L.
・ペパーミント(セイヨウハッカ) Mentha × piperita

ペパーミントもスペアミントも、ハーブとしても精油としても一般的ですが、ウォーターミントの精油には、私は出会ったことはありません。

ペパーミントとスペアミントは、香りが違う

まずは、香りの違いを比べてみましょう。

ペパーミントは、強い清涼感と甘さが特徴。

スペアミントは、マイルドな清涼感に加え、ペパーミント以上の甘さが感じられます。

スイーツやアイスティーに添えたり、ミントティーやモヒートに使われたりするのは、スペアミントが多いようです。

ペパーミントとスペアミントの違い
スペアミントはスイーツのデコレーションの定番!

この香りの違いは、成分の違いによるもの。

精油の成分を比べてみると……。

ペパーミントやハッカには、強い清涼感の素ℓ-メントールという成分が含まれていますが、スペアミントには、ℓ-メントールは含まれていません。

つまり両者の違い、答えは「ℓ-メントールの有無」。

スペアミントの清涼感は、ℓ-メントールではなく、ℓ-カルボンという成分によるもの。

香りはℓ-メントールとも少し似ているのですが、清涼感はマイルドです。

精油を嗅ぎ比べても、けっこう違いがあります。

成分を比較すると、両者の違いがよくわかりますよ。—以下、フレグランスジャーナル社『カラーグラフで読む精油の機能と効用』より

ペパーミント/スペアミント精油の成分トップ5

ペパーミント
1.ℓ-メントール     38%
2.ℓ-メントン    17.3%
3.メントフラン    7.4%
4.1.8シネオール     7%
5.酢酸メンチル    3.8%

スペアミント
1.ℓ-カルボン     67%
2.リモネン     9.3%
3.1.8シネオール    2.6%
4.ミルセン     2.5%
5.酢酸カルベニル   2%

トップ5の成分で共通しているのは、1.8シネオールのみですよね。

6位以下の成分にも、共通する成分はあまりなく、強いて言えば、ペパーミントにも少しだけリモネンが入っている、くらいでしょうか。

ペパーミントとスペアミントの精油は、作用も違う

成分がこれだけ違うということは、作用にもそれなりの違いがあるということです。

ペパーミント精油は、主要成分ℓ-メントールのもつ抗菌作用や抗ヒスタミン作用、筋肉弛緩作用・鎮静・覚醒作用などが、特徴的な作用として挙げられます。

一方、スペアミント精油は、主要成分ℓ-カルボンのもつ粘膜溶解作用、脂肪分解作用などが主な作用です。

このℓ-カルボンは、ケトン類に分類されますが、一般に注意が必要とされるケトン類の神経毒性はないとされています。

つまり、ケトン類の成分だけど、安全性が高いということ。

ペパーミント精油に2番目に多く含まれるℓ-メントンという成分もケトン類ですが、こちらは少しだけ注意が必要です。

1%程度に希釈して、部分的に塗るといったレベルであれば、通常、なんら問題はありませんが、妊婦さんや授乳中の方、子ども、てんかんの持病がある方などは、ご注意ください。

ℓ-メントンならではのプラス作用もあるので、一般の大人であれば、多量、広範囲、高濃度などには気を付けて使う、という程度でOKです。

ペパーミント精油とスペアミント精油、それぞれの香りの特徴や作用の違いに合わせて、上手に活用してくださいね!

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「ペパーミント精油」と「ハッカ精油」の違い、わかりますか?答えはメントールの〇〇〇

アロマメディエーターうえむらです。

ペパーミントもハッカも知っている。

味も香りも、だいたい同じような気がするけど…。

この2つって、ホントは違うの?同じなの?

違うなら、何が違うの?

というあなたのためのおせっかい記事です。

ペパーミントとハッカは違う植物?同じ植物?

ペパーミントは、別名「セイヨウハッカ」。原産はヨーロッパ南部で、スペアミントとウォーターミントの交雑種と言われています。

一方のハッカは「ニホンハッカ」の通称。「和ハッカ」「和種ハッカ」とも呼ばれる日本の在来種(=古くからその地域に存在する生物種)です。

ペパーミントとハッカ、それぞれの植物の学名を比べてみましょう。比較のため、クールミントも明記します。

・ペパーミント(セイヨウハッカ)Mentha x piperita L.
・ハッカ(ニホンハッカ)Mentha canadensis var. piperascens
・クールミント(ヨウシュハッカ)Mentha arvensis L.

読めなくても、一部が同じ、一部が違うことはわかりますよね。

どちらも、シソ科ハッカ属の植物ですが、品種が違うということです。

ちなみに、ペパーミントには、ブラックペパーミントとホワイトペパーミントがありますが(どちらも同じ品種)、葉の形状などを見る限り、ブラックタイプがウォーターミントに近く、ホワイトタイプがスペアミントに近い印象があります。

人間と同じ、父親似だったり、母親似だったり、という感じでしょうか。

ペパーミントとハッカの香り、どう違う?

ペパーミントとハッカは種は違うのですが、どちらもシソ科ハッカ属の植物で、同じ成分もたくさん含んでいるので、そこから採れる精油の香りも似ているのです。

でも、嗅ぎ比べるとやっぱり、はっきりと違いがあります。

薄荷とペパーミントのエッセンシャルオイルの違い
同じ仲間だけど、違う精油

どちらも、スーッとした清涼感が特徴ですが、ペパーミントはしっかりとした甘さを感じます。ハッカのほうはよりくっきりシャープな清涼感が感じられます。

このスーッとした清涼感の正体は、ℓ-メントールという成分。それぞれの精油への含有比率は……。

・ペパーミント精油  35~50%
・ハッカ精油     65~85%

ハッカに軍配があがります。清涼感の強さは、このℓ-メントールの含有量の多さなのです。

つまり両者の違い、答えは、ℓ-メントールの含有量。

そして、ペパーミントにはメントフランという、ハッカ精油にはない成分が含まれています。これがハッカ精油にはない甘さをミント精油にもたらしているのです。

もちろん、他にも違いはありますが、この2点を知っておけば、成分分析表を見たとき、すぐに見分けがつくはずです。

クールミントは、ペパーミントかハッカか?

ここでちょっと脱線して。

学名のところで、比較のために明記したクールミントについて説明を加えます。

クールミントと言えばアレ!

某有名お菓子メーカーのガムの名前で有名ですよね。

学名からすると、ペパーミントともハッカとも別の品種⁉という感じなのですが。

ハッカ属の植物は種類がとても多いうえに交雑しやすく、品種改良も盛んです。そして、学名の分類方法が時代とともに変化したりもするので。

いろいろと、ややこしくなっているようです。

クールミントは「ヨウシュハッカ」「コーンミント」「アルベンシスミント」などとも呼ばれるヨーロッパ原産の帰化種(=外来の植物のうち、野生で定着している生物種)のニホンハッカ。

そう、考えていただいてよいかと思います。

精油成分的には、ℓ-メントールの含有量が多いタイプなので、「コーンミント」「アルベンシスミント」という名前の精油に出会ったら、ハッカ精油とご理解ください(クールミントという名称の精油は、私の知る限り見当たりません)。

精油については、成分分析表を見れば、ℓ-メントールの含有量でペパーミントかハッカ、どちらのタイプかがわかりますよ!

ℓ-メントールの冷感作用に注目!

ℓ-メントールには、抗菌、抗炎症、抗ヒスタミン、筋肉弛緩、鎮静・覚醒、冷感、知覚麻痺など、いろいろな作用があります。

それゆえ、使い勝手もよいのです。

ドラッグストアに行ったら、市販の医薬品、医薬部外品の箱の裏を見てみてください。かなりの商品にℓ-メントールが使われていることがわかりますよ。

ここで、ℓ-メントールの冷感作用について少し掘り下げてみましょう。

ℓ-メントールという成分そのものが、冷たい物質というわけではありません。

食品の香料として入っているものを食べたり、医薬品などに入っているものを塗ったりしたときに、実際に体温が下がったりするわけでもありません。

これは、皮膚に触れたときに、皮膚の温度センサーが冷たさを感じるという作用で、実際の皮膚や身体の温度とは無関係なのです。

おもしろいことに。

資生堂製品開発センター香料開発室が行った、「ペパーミントの香りを嗅ぎながら水に手をつける」という実験では、香りなしの場合に比べて体感温度が4℃下がるという結果が得られたそうです。

嗅いだだけでも!

冷たくもないし、冷えてもいないのに、嗅いでも、触れても冷たい、涼しいと感じるというユニークな成分。 クールダウンしたいときに、ぴったりですね。

メントールが効く!クールボディミストのススメ

この夏は、ハンディ扇風機が大活躍でしたが、体温より高い温度下で風を当て続けると、熱中症のリスクを高めてしまうとか。

そんなときは、スプレーなどでミストを吹きかけながら風を当てると、体温も下がってよいそうです。

ペパーミントやハッカの精油入りのミストなら、さらに涼しさを味わえますね。手作りのクールボディミスト、おススメですよ!

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ミント・ハッカ精油の嗅ぎ比べ、クールボディミスト作りは「パーソナルクラフト製作」がおすすめ!HPの連絡フォームより承ります。

 

アロマの仕事は儲かる?アロマ講師の支出を試算してみる

アロマメディエーターうえむらです。

アロマを仕事にしたい!と考え、資格を取ろうと思いながらも、どれくらい稼げるんだろう?と、不安がよぎる……。

そんな方のために、まずは、支出の中身を知るべし!ということで、おせっかい記事を書きます。

アロマテラピーの学びにまつわる費用

①資格取得までの学び
アロマテラピーの仕事は、資格がなくてもできますが、教えるのに十分な知識を独学のみで身に着けるのは至難の業。講師になりたいなら、アロマを体系的に学べる資格取得講座の受講が近道です。「受講料」「受験料」「テキスト代」で、最低でも20万円前後は見込むべきでしょう。

よろしければ、主要な4団体の受講料をご覧ください☟

アロマセラピーの資格取得にいくらかかる?
主要な団体を一覧で比較

②資格の取得&維持
多くの団体では、資格を取得・維持するために「資格登録費」「入会金」「年会費」がかかります。「資格登録費」「入会金」は1回きりの支出ですが、年会費は毎年の支出になります。1年目、これらをトータルすると、1団体につき30,000円~50,000円前後が多いようです。

こちらも、上記のリンク先の一覧でご覧いただけます。

③独学
主に、書籍や専門誌の購入費用です。1冊1,000円前後~10,000円超まで、さまざ。動画配信サービスで学ぶ方法もあります。TV、メルマガなどの情報は無料でも入手できますが、良い情報とそうでないものが混在しているので、しっかり見極める必要があります。

④単発講座
講師をしている人が参加するような内容の場合、1講座5,000円前後(2時間位)~数万円(2日位)が一般的かと思います。

アロマクラフト作り、資材の購入費

①精油、基材、容器などの消耗品
講師であれば、精油は20種類は欲しいところです。種類やブランドによる金額差が大きいので、平均単価2,800円の25%オフの仕入価格と想定し、20本で42,000円。植物油等の基材類も、最初に10,000円分くらいの何かは用意しないと講座ができません。容器類も、必ず必要になります。私の経験上、使用期限がある精油と基材はロスがでやすく、自宅用として消費する分が相当あります。

②クラフト製作に必要な道具
スケールや計量スプーンなど、使い回し度の高い道具もありますが、新しいクラフト製作をすると、新たに必要になる道具もあります。講座は複数相手に行うのが一般的。待ち時間を減らすため、同じものを複数用意しなければ…ということも。クラフトの種類にかなり左右されますが、最初の数年は10,000円~20,000円みておくとよいと思います。

③送料
近所では買えない資材も多く、通販で購入すると送料が発生します。送料無料の金額まで購入しようすると、無駄な在庫が増えかねません。2か月に1回、注文したとしても、送料は5,000円くらいになります。

アロマ講師 儲かる 支出 稼げる
精油ー講師なら20種類は揃えたいところ

アロマテラピー教室・スクール維持費

①環境整備
講師にとって欠かせないのがPC、プリンター。5年間使うとして、両方で1年あたり35,000円くらい。そのほか、活動の仕方によってプロジェクターなども。

②宣伝広告
HP、名刺、チラシ、看板などの制作にかかる費用と、HPやブログのサーバー代、独自ドメイン料など。「無料のものだけ利用」「すべて自作」も可能なので、0~30,000円というところでしょうか。

③消耗品
講座のテキストや自作の名刺、チラシの作成に伴い、用紙代、インク代などが発生します。合計10,000円くらいみてください。

その他、活動の仕方によってかかる経費

①会場代、交通費
自宅外であなたが主催する場合、会場費がかかることも。その場合、会場までの交通費も発生します。そのほか、打ち合わせ、営業、買い物、交流、イベント出展などの際の交通費(車の場合、ガソリン代・駐車場代)も不可欠です。

②教室維持
自宅を開催の拠点にする場合、室内の装飾、光熱費などがかかります。リビングではなく、専用の部屋で行うなら、別途、テーブルや椅子、棚などが必要になります。

③イベント出展
無料のものもありますが、出展料が必要な場合が多いです。地域のイベントは1日2,500円~5,000円程度が一般的ですが、会場が都心だったり、広域から来場者が集まる大規模イベントは1日数万円ということも。

④個人事業主としての勉強や交流
集客のノウハウ、HPの作り方等の講座への参加のほか、親睦・PR・情報交換・勉強などを目的に、地域・同業・異業種の方などとの集まりに参加することも。無料のものもありますが、参加費や食事・お茶等の実費が必要な場合もあります。

アロマテラピー講師、開業5年間の“年平均支出を試算!

では、ものすごくざっくりですが。上記を元に、開業5年間の年平均支出を試算してみます。

資格取得のための受講、受験、登録、入会金など1回きりの支出は、合計30万円かかると仮定し、それを5年で割り(=5年で回収すると想定し)算出します。

受講・入会金等1回きりの出費 60,000円
団体の年会費          12,000円
アロマの学び          25,000円
クラフト資材          67,000円
教室・スクール維持       50,000円
その他の経費          26,000円
年間合計            240,000円

業5年間の”年間平均支出”は、240,000円となりました。

さて、この試算結果、いかがですか?

アロマ講師、最初の5年間の支出は、月平均なら20,000円

この例では。

「月平均20,000円売上があれば、経費を賄える、所得はゼロ」

「月平均40,000円売上があれば、20,000円の所得が得られる」

ということになります。

月平均20,000円(=年平均240,000円)の売上を5年間クリアできたら……。

6年目以降は、1回きりの費用はなくなりますし、道具代なども減っていくので、それまでより少ない売上でも、所得が得られます。もしくは、同じ売上でも所得がUPします。

でも、そろそろ新しい資格が欲しくなったりして、新たな1回きりの費用が発生するかもしれません。

どの資格を取り、どんな場所で、どう活動するかによるので、実際の支出額は人それぞれですが。

支出項目は、概ねここに挙げた通りです。ご自身のケースを想定して数字を当てはめ、試算してみてくださいね。

収入のおせっかい記事を書いたら、リンクしますので、それまでしばらくお待ちください。

【追記】収入のおせっかい記事UPしました!
アロマの仕事は儲かる?講師の収入を試算してみる~①お教室編~

MoaMoa Mommy
アロマの資格取得・勉強・仕事に関してのお悩みは、HPの連絡フォームより承ります。