「ペパーミント精油」と「スペアミント精油」の違いを知りたい!答えはメントールの〇〇

アロマメディエーターうえむらです。

ペパーミントもスペアミントも、「名前はどっちも知ってるよ!」という方が大半ですよね。

でも、それらの違いをご存知の方は、少ないかもしれません。

ハッカ精油とペパーミント精油の違いについては、先日のおせっかい記事でお伝えしました。

ペパーミント精油とハッカ精油の違い、
わかりますか?

こちらの記事に書いた内容と一部重複しますが。

今回は、ペパーミント精油とスペアミント精油の違いについて、おせっかい記事を書いてみます。

ペパーミントとスペアミントは、親子の関係

ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントが交雑して生まれた品種と言われています。

つまり、ペパーミントとスペアミントは、親子の関係にあり、品種の違う植物であるということ。

片方の親のウォーターミントは、別名「ミズハッカ」「ヌマハッカ」。その名前からも想像できる通り、沼地や湿地で育つ湿性植物です。

もう片方の親のスペアミントは、葉の先が槍(Spear)のようにとがった形状をしていることがその名の由来。「オランダハッカ」「ミドリハッカ」などの別名があります。

・ウォーターミント(ミズハッカ) Mentha aquatica
・スペアミント(オランダハッカ) Mentha spicata L.
・ペパーミント(セイヨウハッカ) Mentha × piperita

ペパーミントもスペアミントも、ハーブとしても精油としても一般的ですが、ウォーターミントの精油には、私は出会ったことはありません。

ペパーミントとスペアミントは、香りが違う

まずは、香りの違いを比べてみましょう。

ペパーミントは、強い清涼感と甘さが特徴。

スペアミントは、マイルドな清涼感に加え、ペパーミント以上の甘さが感じられます。

スイーツやアイスティーに添えたり、ミントティーやモヒートに使われたりするのは、スペアミントが多いようです。

ペパーミントとスペアミントの違い
スペアミントはスイーツのデコレーションの定番!

この香りの違いは、成分の違いによるもの。

精油の成分を比べてみると……。

ペパーミントやハッカには、強い清涼感の素ℓ-メントールという成分が含まれていますが、スペアミントには、ℓ-メントールは含まれていません。

つまり両者の違い、答えは「ℓ-メントールの有無」。

スペアミントの清涼感は、ℓ-メントールではなく、ℓ-カルボンという成分によるもの。

香りはℓ-メントールとも少し似ているのですが、清涼感はマイルドです。

精油を嗅ぎ比べても、けっこう違いがあります。

成分を比較すると、両者の違いがよくわかりますよ。—以下、フレグランスジャーナル社『カラーグラフで読む精油の機能と効用』より

ペパーミント/スペアミント精油の成分トップ5

ペパーミント
1.ℓ-メントール     38%
2.ℓ-メントン    17.3%
3.メントフラン    7.4%
4.1.8シネオール     7%
5.酢酸メンチル    3.8%

スペアミント
1.ℓ-カルボン     67%
2.リモネン     9.3%
3.1.8シネオール    2.6%
4.ミルセン     2.5%
5.酢酸カルベニル   2%

トップ5の成分で共通しているのは、1.8シネオールのみですよね。

6位以下の成分にも、共通する成分はあまりなく、強いて言えば、ペパーミントにも少しだけリモネンが入っている、くらいでしょうか。

ペパーミントとスペアミントの精油は、作用も違う

成分がこれだけ違うということは、作用にもそれなりの違いがあるということです。

ペパーミント精油は、主要成分ℓ-メントールのもつ抗菌作用や抗ヒスタミン作用、筋肉弛緩作用・鎮静・覚醒作用などが、特徴的な作用として挙げられます。

一方、スペアミント精油は、主要成分ℓ-カルボンのもつ粘膜溶解作用、脂肪分解作用などが主な作用です。

このℓ-カルボンは、ケトン類に分類されますが、一般に注意が必要とされるケトン類の神経毒性はないとされています。

つまり、ケトン類の成分だけど、安全性が高いということ。

ペパーミント精油に2番目に多く含まれるℓ-メントンという成分もケトン類ですが、こちらは少しだけ注意が必要です。

1%程度に希釈して、部分的に塗るといったレベルであれば、通常、なんら問題はありませんが、妊婦さんや授乳中の方、子ども、てんかんの持病がある方などは、ご注意ください。

ℓ-メントンならではのプラス作用もあるので、一般の大人であれば、多量、広範囲、高濃度などには気を付けて使う、という程度でOKです。

ペパーミント精油とスペアミント精油、それぞれの香りの特徴や作用の違いに合わせて、上手に活用してくださいね!

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「ペパーミント精油」と「ハッカ精油」の違い、わかりますか?答えはメントールの〇〇〇

アロマメディエーターうえむらです。

ペパーミントもハッカも知っている。

味も香りも、だいたい同じような気がするけど…。

この2つって、ホントは違うの?同じなの?

違うなら、何が違うの?

というあなたのためのおせっかい記事です。

ペパーミントとハッカは違う植物?同じ植物?

ペパーミントは、別名「セイヨウハッカ」。原産はヨーロッパ南部で、スペアミントとウォーターミントの交雑種と言われています。

一方のハッカは「ニホンハッカ」の通称。「和ハッカ」「和種ハッカ」とも呼ばれる日本の在来種(=古くからその地域に存在する生物種)です。

ペパーミントとハッカ、それぞれの植物の学名を比べてみましょう。比較のため、クールミントも明記します。

・ペパーミント(セイヨウハッカ)Mentha x piperita L.
・ハッカ(ニホンハッカ)Mentha canadensis var. piperascens
・クールミント(ヨウシュハッカ)Mentha arvensis L.

読めなくても、一部が同じ、一部が違うことはわかりますよね。

どちらも、シソ科ハッカ属の植物ですが、品種が違うということです。

ちなみに、ペパーミントには、ブラックペパーミントとホワイトペパーミントがありますが(どちらも同じ品種)、葉の形状などを見る限り、ブラックタイプがウォーターミントに近く、ホワイトタイプがスペアミントに近い印象があります。

人間と同じ、父親似だったり、母親似だったり、という感じでしょうか。

ペパーミントとハッカの香り、どう違う?

ペパーミントとハッカは種は違うのですが、どちらもシソ科ハッカ属の植物で、同じ成分もたくさん含んでいるので、そこから採れる精油の香りも似ているのです。

でも、嗅ぎ比べるとやっぱり、はっきりと違いがあります。

薄荷とペパーミントのエッセンシャルオイルの違い
同じ仲間だけど、違う精油

どちらも、スーッとした清涼感が特徴ですが、ペパーミントはしっかりとした甘さを感じます。ハッカのほうはよりくっきりシャープな清涼感が感じられます。

このスーッとした清涼感の正体は、ℓ-メントールという成分。それぞれの精油への含有比率は……。

・ペパーミント精油  35~50%
・ハッカ精油     65~85%

ハッカに軍配があがります。清涼感の強さは、このℓ-メントールの含有量の多さなのです。

つまり両者の違い、答えは、ℓ-メントールの含有量。

そして、ペパーミントにはメントフランという、ハッカ精油にはない成分が含まれています。これがハッカ精油にはない甘さをミント精油にもたらしているのです。

もちろん、他にも違いはありますが、この2点を知っておけば、成分分析表を見たとき、すぐに見分けがつくはずです。

クールミントは、ペパーミントかハッカか?

ここでちょっと脱線して。

学名のところで、比較のために明記したクールミントについて説明を加えます。

クールミントと言えばアレ!

某有名お菓子メーカーのガムの名前で有名ですよね。

学名からすると、ペパーミントともハッカとも別の品種⁉という感じなのですが。

ハッカ属の植物は種類がとても多いうえに交雑しやすく、品種改良も盛んです。そして、学名の分類方法が時代とともに変化したりもするので。

いろいろと、ややこしくなっているようです。

クールミントは「ヨウシュハッカ」「コーンミント」「アルベンシスミント」などとも呼ばれるヨーロッパ原産の帰化種(=外来の植物のうち、野生で定着している生物種)のニホンハッカ。

そう、考えていただいてよいかと思います。

精油成分的には、ℓ-メントールの含有量が多いタイプなので、「コーンミント」「アルベンシスミント」という名前の精油に出会ったら、ハッカ精油とご理解ください(クールミントという名称の精油は、私の知る限り見当たりません)。

精油については、成分分析表を見れば、ℓ-メントールの含有量でペパーミントかハッカ、どちらのタイプかがわかりますよ!

ℓ-メントールの冷感作用に注目!

ℓ-メントールには、抗菌、抗炎症、抗ヒスタミン、筋肉弛緩、鎮静・覚醒、冷感、知覚麻痺など、いろいろな作用があります。

それゆえ、使い勝手もよいのです。

ドラッグストアに行ったら、市販の医薬品、医薬部外品の箱の裏を見てみてください。かなりの商品にℓ-メントールが使われていることがわかりますよ。

ここで、ℓ-メントールの冷感作用について少し掘り下げてみましょう。

ℓ-メントールという成分そのものが、冷たい物質というわけではありません。

食品の香料として入っているものを食べたり、医薬品などに入っているものを塗ったりしたときに、実際に体温が下がったりするわけでもありません。

これは、皮膚に触れたときに、皮膚の温度センサーが冷たさを感じるという作用で、実際の皮膚や身体の温度とは無関係なのです。

おもしろいことに。

資生堂製品開発センター香料開発室が行った、「ペパーミントの香りを嗅ぎながら水に手をつける」という実験では、香りなしの場合に比べて体感温度が4℃下がるという結果が得られたそうです。

嗅いだだけでも!

冷たくもないし、冷えてもいないのに、嗅いでも、触れても冷たい、涼しいと感じるというユニークな成分。 クールダウンしたいときに、ぴったりですね。

メントールが効く!クールボディミストのススメ

この夏は、ハンディ扇風機が大活躍でしたが、体温より高い温度下で風を当て続けると、熱中症のリスクを高めてしまうとか。

そんなときは、スプレーなどでミストを吹きかけながら風を当てると、体温も下がってよいそうです。

ペパーミントやハッカの精油入りのミストなら、さらに涼しさを味わえますね。手作りのクールボディミスト、おススメですよ!

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