虫よけアロマにはユーカリレモン!の理由と、蚊取線香、市販の虫よけスプレーとの違い

アロマメディエーターうえむらです。

皆さんは、普段どんな虫よけを使っていますか?

外で蚊に刺されるのも、もちろんイヤですが、寝ているときに襲われるのが、私は一番イヤ。かゆみと安眠妨害で腹立たしさもMAX!

真夜中の急な攻撃には、空間用のスプレーをひと吹きで対処していますが、今はいろんなタイプのものがあって、便利になりましたね。

今回は、蚊取線香や市販の虫よけスプレーの特徴や、それらとアロマの虫よけの違い、オススメの精油についてのおせっかい記事を書いてみます。

除虫菊の花の成分で蚊を殺す~蚊取線香の効果~

蚊取線香は、ひとことで言うと「殺虫剤」。

空間に拡散するタイプの虫よけ剤としては、最も歴史あるものですよね。

蚊取線香は、除虫菊=シロバナムシヨケギクの花が主な原料。

胚珠(種子になる部分)に含まれる「ピレトリン 」という殺虫効果のある成分を練りこみ、蚊を駆除するというものです。

とはいえ、最近は「ピレトリン」を化学合成した「ピレスロイド」を使った商品が主流。

除虫菊由来のものはマイナーで、ピレスロイドを使ったものよりお値段も高めですが、“天然除虫菊使用”として、今もナチュラル志向の人たちに支持されています。

【天然の除虫菊を有効成分とする蚊取線香】
・天然除虫菊 金鳥の渦巻 ミニサイズ (金鳥)
・昔ながらの天然除虫菊かとり線香 (ライオンケミカル)
・菊の香り蚊取り線香 (児玉兄弟商会)

蚊取線香は、火をつけると熱で有効成分が揮発して周囲に拡散され、近くにいる蚊の神経に作用するという仕組み。煙とは無関係で、あくまでも熱で揮発したピレトリンやピレスロイドによる作用です。

忌避効果もあるので(本能的に危険なにおいを察知して逃げるのでしょう)、蚊取線香を焚いていると、蚊に刺されにくくなるというわけです。

人間や多くの動物には作用せず、虫や魚など一部の生物にのみ毒性を発揮します。

この蚊取線香は、キンチョー(金鳥)のブランド名で知られる大日本除虫菊株式会社によって開発されたもので、日本だけでなく、蚊が多い諸外国でも活躍しています。

棒状では持ち運びや扱いに不便なうえ、燃焼時間が短いため、長持ちして扱いやすい渦巻き状のものが創業者の妻によって考案され、それが蚊取線香のスタンダードとなっています。

蚊取線香の効果
130年以上の歴史を誇る蚊取線香。粉末状→棒状→渦巻状と進化して現在に至る

睡眠時間を考慮した、1本で7時間ほど燃焼する約75cmの長さが一般的ですが、ミニサイズの商品も出回っていますね。

私は、一時、コーン型の小さい蚊取線香を作る講座を頻繁に行っていたのですが(最近、ご無沙汰です😓)。

これは10分、15分で燃焼してしまうので、寝るときに使うのには向きません。たとえば短時間の庭仕事とか、花火とか。そんなときに使うのにぴったりです!

時間に応じて、1個、2個、3個と調整できる使い切りサイズが魅力。粘土細工のように、こねこねしながら作るのは楽しいものです。

手作り蚊取線香
講座でも人気の手作り蚊取線香

わが家では、蚊取線香は家の中では使っていませんが、植木屋の夫が仕事の必需品として常備しているものを、花火やBBQ、草むしりなど、アウトドアで時々使っています。

昔は、空間用の虫よけといったら蚊取線香でしたが、やがて、電気の熱で2㎝四方くらいのマットをあたためて有効成分を揮発させる「〇〇マット」なるものが登場しました。

煙も出ないし、火も使わないし、なんて画期的なんだ!と、子供ながらに思った記憶があります。

こうした空間用の蚊よけ商品は、その後も進化を続け、いまは液剤を揮発させるタイプ、吊るすタイプ、スプレータイプなど、各社からいろいろ出ていますが、その成分表示を見ると、おおむね「ピレスロイド系」と表示されています。

形態、形状は違っても、この成分は、昆虫忌避の定番中の定番。使う場所や場面に合わせて選べる、虫よけの強い味方です。

マスキング効果で蚊の吸血行動を阻む~ディート&イカリジンで虫よけ~

ディートやイカリジンを有効成分とする肌用の虫よけ剤をひとことで言うと「攪乱剤」。

肌につけると、マスキング効果によって、虫は人の体から発せられるサイン(炭酸ガス、におい、温度など)が感知できなくなり、吸血対象に気づけないのです。

でも、塗り残しがあると、その部分は感知されてしまいます。スプレーしたあと、ムラにならないよう、手でまんべんなく塗り広げるのが刺されないための秘訣です。

ディートやイカリジンの虫よけ効果は蚊を攪乱

実際に、きちんと塗り広げた腕とスプレーしただけの腕を、蚊のいるケースに入れて実験している映像を見たことがありますが、スプレーしただけの方は、やはりムラになっていたようで、数か所刺されていました。

ディートを有効成分とする商品は、使用できる年齢や回数などに決まりがありますが、イカリジンを有効成分とする商品は、制限なく使うことができます。

ディートのほうが防げる害虫の種類は多いので、状況に応じて選べばOKですが、蚊はディート、イカリジンどちらでも効果があります。

ディートやイカリジンの濃度は商品によって異なり、濃度が高いほど効果の持続時間が長くなるので、塗り直しの回数は少なくなります。濃度が高い=蚊よけの威力が強いではありませんのでご注意を。

普段使いには低濃度のもの、長時間のアウトドアには高濃度のものといった使い分けをするとよいですね。

苦手な香りで蚊を遠ざける~精油(エッセンシャルオイル)で虫よけ~

精油(エッセンシャルオイル)を使った虫よけをひとことで言うと「嫌悪剤」。

って、そんな言葉はありませんが。勝手に名付けてみました。苦手、嫌いだから、近づかないという単純な原理です。蚊取線香と違って、殺虫効果はありません。

アロマの虫よけスプレーは、水で希釈した精油の成分が揮発して忌避できるわけです。必ずしも肌でなくても、服などにつけることでも効果を発揮するので、小さいお子さんや敏感肌の方にもオススメです。

アロマの虫よけなら自分で濃度も調整できます。服につける場合は濃いめに、直接肌につける場合は薄めになど、使用方法に応じて変えることもできるのがメリットです。

精油を有効成分としているものは、ディートやイカリジンの虫よけに比べると効果は弱め。揮発も早いため、塗り直しは、こまめにする必要があります。

ゆっくり揮発させるために、水ではなく、クリーム基材に混ぜて塗るという方法もあります。

アロマの虫よけがディートやイカリジンの虫よけとは大きく違う点は香り。天然の香りならではの心地よさはやっぱり魅力的です。

天然素材という安心感もあります。そして手作りすればかなり安価です。

近所を少し散歩するとか、買い物に行くとか、刺される可能性があまり高くない場合や、短時間のお出かけに重宝しますよ。

蚊よけにオススメの精油はユーカリ。だけど・・・・・・

では、具体的にどんな精油がおすすめなの?

ということですが、アロマテラピーで一般的に使われている精油の中から選ぶなら…。

「ユーカリレモン」です。

「レモンユーカリ」「ユーカリシトリオドラ」などとも呼ばれていて、主成分のシトロネラールが、蚊などの虫にとって苦手とされています。

名前に“レモン”がつくことからも想像できる通り、レモンのような香りがする精油で、一般にユーカリ精油として知られている「ユーカリグロブルス」や「ユーカリアラディアータ」とは、成分も香りも全く違います。

「ユーカリグロブルス」や「ユーカリラディアータ」は、1.8シネオールを主成分とする精油で、スースーした清涼感のある香り。呼吸器系のトラブルにオススメで、蚊が苦手なシトロネラールは、まったく含まれていません。

詳しい説明は、よろしければ過去の記事でご覧ください☟

〈おすすめ関連記事〉
「ユーカリグロブルス」「ユーカリラディアータ」「ユーカリレモン」精油の違い、お教えします!

ユーカリレモン精油が虫よけにオススメな理由あれこれ

さて、蚊が苦手とするシトロネラールですが、ユーカリレモン以外にも、これを含む精油はあります。なのに、どうしてユーカリレモンなのかというと、それはシトロネラールの含有量がダントツに多いから。

◆シトロネラールの精油中の含有量
ユーカリレモン   約72%
シトロネラ・ジャワ 約42%
レモンティーツリー 約21%
※「生活の木」取り扱い精油の成分分析表参照(2021年7月25日現在)

できるだけ精油の濃度を低く抑えながら、シトロネラールの効果を得るには、ユーカリレモンを使うのがオススメなのがご理解いただけますよね。

低い濃度で使える=肌への刺激が少ないということであり、少ない量で作れる=安く作れるということでもあります。

そして、香りが苦手な人が少なくて、安定的に市場に出回っていて、価格がお手頃。いろんな意味でユーカリレモンは使いやすい精油なのです。

昆虫の忌避作用をもつ成分は、他にもいろいろありますし、その成分を含む精油もたくさんあります。多くの論文もあります。ただ、作用があるという事実と、実用に適しているかは、また別のはなし。

私たちが使用するためには、肌につけたり、自然と香りを嗅いだりするわけですから、濃度なども重要です。ケースの中にいる蚊に有効である=オススメ精油とは必ずしもならないのです。そんな中で…。

①ユーカリレモン精油は、シトロネラ精油とともに、昆虫の忌避剤として米国環境保護局(EPA)の承認を得ている(情報元:『抗菌アロマテラピーへの招待』)。

②アロマテラピーの講座で作ったユーカリレモンの虫よけを使った経験がある

手作りの虫よけパッチ
私の講座でも、たくさんの方に虫よけスプレーや虫よけパッチ作りを楽しんでいただきました

③ユーカリレモンが主成分の市販の虫よけを使った経験がある

【精油を有効成分とする虫よけ】
・虫よけパッチα シールタイプ (アース製薬)
・アンチバグ (アロミックスタイル)
・アウトドアスプレー (アミザージ)

こうしたことを通じて、ユーカリレモンは、虫よけとしての一定の安全性(安全な使い方)と効果が認知されていて、他の精油と比較しても、信頼度が高い、使いやすい精油と言っていいと思います。

また、ユーカリレモン精油には、ディートと同等かそれ以上の効果があるとされる「p-メンタン-3.8ジオール」という成分も微量含まれているそうです(微量すぎるのか、成分分析表では確認できません)。

そしてこの「p-メンタン-3.8ジオール」は、ユーカリレモン精油にたっぷり含まれるシトロネラールから作れるそうです☟

上述のp−メンタン−3,8−ジオール異性体混合物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば原料としてd−シトロネラール、l−シトロネラール、及び、dl−シトロネラールのいずれかを用いる、当業者にとって公知の方法を採用することができる。
ー引用元:生命科学関連特許情報(出願番号2011259259)

合成、天然どちらのシトロネラールからも作れますが、下記の市販の虫よけ商品には、p-メンタン-3.8ジオールは「ユーカリ精油由来」と書かれています。

それなりに強力なのか、肌に直接つけるタイプではなく、服や空間用が一般的です。UVカット成分がプラスされている商品もあり、虫よけも進化を遂げていますね。

【を主な有効成分とする虫よけ】
・服にスプレー スキンベープミスト ナチュラル UVカット (フマキラー)
・ペット用アースノーマット (アースペット)
・ナチュラス ボタニカルスプレー (アース製薬)

というわけで、あれこれ語りましたが、ユーカリレモン精油がオススメな理由、伝わりましたか?

仕事でアロマに関わっているわけでもないと、昆虫忌避作用のある精油を何種類も購入して少しずつ使うのって、けっこうたいへんですよね。

忌避作用がある精油をいろいろブレンドして使うのももちろんあり!ですが、もし虫よけ用に1本だけ買うとしたら…。ぜひ、ユーカリレモンを!

蚊を物理的にシャットアウト!~網戸や蚊帳~

付録情報です。ここまで化学の力を利用した忌避のはなしをしてきましたが、ちょっと別の視点から。

虫を物理的にシャットアウトする網戸や蚊帳のおはなし。

これらは、破れなどがない、きちんとした状態のものであれば、場面・場所は限定されるものの、安全性とか時間とか関係なく虫よけができるお役立ちアイテムです。

でも、たとえば網戸をきちんと閉めているはずなのに…。破れもないはずなのになぜいるの!?っていうことありませんか?

玄関やベランダを出入りしたときに、という可能性もあると思いますが。じつは、網戸の閉め方に原因がある場合も。

網戸って、窓の右側で閉めるのが正解なんだそうです。窓は左側に寄せて、網戸は右側に。逆にすると、窓と網戸の間に隙間ができてしまい、そこから虫が侵入しやすくなるのだとか。

また、蚊は通常の網戸の網目を通過できませんが、コバエなど、一部の虫は網目を簡単に通り抜けてしまいます。けっこう楽々通り抜けている様子を映像で見たことがあります。

あまり侵入がひどい場合は、網目の細かいタイプに替えたり、スプレー剤や蚊取線香と併用するなどの合わせ技で対処するとよいですね。

蚊帳は、家の中ではもちろんのこと、持ち運びもできるので、キャンプなどのアウトドア活動が多い方は、1つ用意しておくと安心かもしれません。

たかが蚊、されど蚊。

我々と蚊との攻防戦は、未来永劫続くのでしょうから。TPOに応じて、安全性と効果を天秤にかけながら、虫よけ対策をしていきましょう。

MoaMoa Mommy
虫よけスプレー、虫よけパッチ、蚊取線香講座の受講のご希望は、HPの連絡フォームより承ります。

レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナ、レモンマートル、リトセア。香りは似てるけど、見た目も科名も全然違う


アロマメディエーター
うえむらで
す。

名前に“レモン”がついた精油や、レモンみたいな香りがする精油って、けっこうたくさんあるのをご存知ですか?

タイトルに記載したもの以外にも、シトロネラ、ユーカリレモン、レモンティーツリーなどがありますが。

どうして同じような香りがするの?

レモンバームとレモンバーベナって同じもの?違うもの?

わかっているような、そうでないような曖昧な知識、アロマメディエーターうえむらのおせっかい記事でスッキリさせてください。

レモングラス、レモンバームetc.レモンの香りがする精油を集めてみた

レモンは言わずと知れた柑橘類。柑橘の果皮から採れる精油は、レモン以外に、オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、ベルガモット、ライム、柚子などたくさんあります。

最近は、みかん、いよかん、甘夏など、国産の柑橘精油もいろいろ出回っています。

どれも、香りを嗅げば柑橘精油だとわかりますが、当のレモンを除き、「レモンの香り!」と思うものは、あまりありません。

強いていえば、マンダリンが酸っぱめのせいか、レモンに近いかな~というくらいでしょうか。

一方、柑橘類ではない植物から抽出する精油の中に、「レモンの香り!」と、感じるものが多くあります。それが、以下の表の精油たち。比較のため、レモンも最下段に載せています。

レモングラス、レモンバーム、レモンバーベナ、レモンマートル、リトセアの違い

〈精油成分の参考資料〉
カラーグラフで読む精油の機能と効用(フレグランスジャーナル刊)
エッセンシャルオイル総覧2007(フレグランスジャーナル刊)
ティーツリーファームズ成分分析表

表の見方を補足すると。

金額は、表中のすべての精油を取り扱っている生活の木のものです(投稿時現在、税込み)。

成分①~④は、含有率の多い順に、上位4つを挙げています。これは一例なので、実際はブランドやロットによって異なります。あくまでも違いや共通点を理解するための資料としてご参照ください。

オレンジ色の網掛けがしてあるd-リモネンは、柑橘精油の主成分で、甘酸っぱいフレッシュで爽やかな香りがします。

黄色で網掛けしてあるのは、レモンみたいな香り(レモン様の香り)をもつ成分。複数あります。

一番右端の柑橘臭としているのは、表中のオレンジ色と黄色部分を合計した数字。

成分名と一緒に書かれているアルファベットは、香りのおおざっぱな印象です。

それでは、詳細を見ていきましょう。

レモンの香りがする精油は、柑橘精油にあらず

d-リモネンは、柑橘を柑橘たらしめる香り。すべての柑橘精油の主成分です。

ゲラニアールやシトロネラールなどは、レモンっぽい香りの成分。柑橘精油には、あまり含まれていません。

当のレモンにすら、わずか数%程度(ロットによりますが、ふつう5%にも満たないレベル)。オレンジなら、0.5%にも満たない超微量。

でもそれが、柑橘ではない1~7の植物にはたくさん入っているのです。

柑橘の精油は、d-リモネンという共通の成分によって、ベースとなる香りが決まっていて、それ以外の成分によって、自分らしさ、個性を出しているというのに。

見た目も科も全然違う植物たちが、こぞって似たようなレモンみたいな香りを出す。

なんだか、おもしろいですね。

レモンみたいな香りの精油、共通点は?違いは?

まずは、各精油の成分以外の点に注目してみます。表の1~7を順に見ていきましょう。

1、レモングラス
和名を「レモンガヤ(檸檬茅)」と言います。原産地は熱帯アジア。イネ科植物なので、葉も細長くシュッとしています。レモングラスという名前は、直訳すれば「レモン草」。そのまんまですね。精油は全草から蒸留します。

レモングラス レモンガヤ
SONY DSC

2.レモンバーム
別名をメリッサ、和名をコウスイハッカ(香水薄荷)と言います。原産地は南ヨーロッパ。シソ科の植物で、同じシソ科のミント類に近い外観をしています。精油は全草から蒸留します。採油率が低くて稀少なので、とっても高価です。

レモンバーム コウスイハッカ

3.レモンマートル
レモンマートルの「マートル」は、日本では「ギンバイカ(銀梅花)」と言います。花の外観に由来するようです。原産地はオーストラリア。ユーカリやティーツリーと同じフトモモ科の植物です。精油は、枝葉から蒸留します。

レモンマートル

4.レモンバーベナ
和名をコウスイボク(香水木)と言います。原産地はアルゼンチン、ペルー、チリ。ランタナと同じ、クマツヅラ科の植物です。精油は葉と花から蒸留します。採油率が低く稀少なので、かなり高価です。

レモンバーベナ コウスイボク

5.リトセアキュベブ
(リトセアクベブ/リツエアクべバ)
別名をメイチャン、和名をアオモジ(青文字)と言います。コショウ科の蔓植物に、クベバ/クベブ(別名:ヒッチョウカ)というのがありますが、香りはレモンではなくスパイシー。見た目は、リトセアの葉が茂っている頃だと、少し似ているかも?という感じ。名前の由来に関係があるのかどうかはよくわかりません。原産地は中国で、メイチャンは「中国の女神」の意味。クロモジ(黒文字)同様、クスノキ科の植物です。精油は果実から蒸留します。

リトセアキュベブ リツエアクベバ メイチャン アオモジ

リトセアの葉が茂っている写真
       ➡Litsea cubeba

クベバの写真 ➡piper cubeba

6.ユーカリレモン
別名をユーカリシトリオドラと言います。Citri(シトリ)=「レモンの」、odora(オドラ)=「香り」です。原産地はオーストラリア。3のレモンマートル同様、フトモモ科の植物です。精油は、葉と小枝から蒸留します。よい写真素材が見つからず、乾燥しかかっている葉を、私が家で撮影したものです☞

ユーカリレモン ユーカリシトリオドラ

7.シトロネラジャワ
シトロネラジャワは、シトロネラールを多く含むタイプのシトロネラ精油の呼び名。シトロネラは、和名をコウスイガヤ(香水茅)と言います。原産地はスリランカ。レモングラス同様、イネ科の植物です。精油は、全草から蒸留します。

シトロネラの写真は入手できませんでしたが、レモングラスと似た細長くてシュッとした姿です。

以上、表+解説で、なんとなくお気づきかと思いますが。

レモンみたいな香りがする精油たち、原料植物の科名とか姿形とか、原産地とか、精油の抽出部位とか、けっこうそれぞれです。

レモン様の香りがすること以外の共通点は、ほとんどにレモンの香りにちなんだ名前がついていること、同じ科の場合に限れば原料植物の姿形も似ている(→当たり前よね)、といったところでしょうか。

〈精油の“違い”シリーズおすすめ記事〉
「スイートオレンジ&ビターオレンジ精油の違いと光毒性

レモンみたいな香りの精油、成分に注目

次に、成分①~④に注目してみましょう。

1~5の精油のレモン様の香りの素は「ゲラニアール」と「ネラール」という成分。これら両方を合わせて「シトラール」と呼ぶこともあります。

ゲラニアールのほうはシャープでフレッシュなレモン臭、ネラールのほうはライトで甘味のあるレモン臭らしいです。

科も全然違う1~5の植物に、同じ成分が主成分としてこんなにも含まれているなんて、本当に興味深いですね。

6、7のレモン様の香りの素は「シトロネラール」という成分。表中の上位4つまでには入っていませんが、レモンバームにも少し含まれています。

黄色い網掛けをしている成分は、どれも「テルペンアルデヒド」と呼ばれるグループに属しています。

テルペンアルデヒドに属する成分は、強い柑橘臭をもっているため、テルペンアルデヒドを多く含む精油=レモン、柑橘の印象が強くなる、というわけです。

レモンバームやレモンバーベナは、テルペンアルデヒドの含有率が他の精油に比べて少なめ。その分、他の成分による作用もけっこう期待できます。

レモンみたいな香りの精油、使い道

テルペンアルデヒドに属する成分には、全般に抗ヒスタミン作用、抗菌・抗真菌作用などがあり、虫刺されの痒みや水虫、掃除などに、他の精油とブレンドして使ったりします。

また、鎮静作用があるので、たとえば鬱気味、興奮・緊張状態、集中力が低下しているときなどに芳香浴を楽しむのもよいでしょう。

シトロネラールにおいては、局所鎮痛作用や昆虫忌避作用もあるので、筋肉痛や虫よけに使えますよ。

d-リモネンを主成分とする柑橘精油は、香りに慣れ親しんでいることや爽やかさから、好む人が多いのですが、香りが弱く、揮発も早いため、クラフト作りに使うと、実際にそれを使用するときには、かなり物足りな~い感じに。

香りうすっ!ってなります。

だからといって大量に入れたらコストがかかるし、スキンケアクラフトだったら肌への刺激が強くなってしまうし。

一方、柑橘じゃないけど、レモン様の香りがする精油たちは、クラフトにもしっかりと香りづけできます。

皮膚刺激があるため濃度に注意が必要ですが、少量で香りづけできるので、スキンケアクラフトも低濃度で作れます。

個人的には、レモン様の香りの精油たちは、香水やルームスプレーなどのフレグランス、入浴剤や石鹸などのクラフトに使うのがおススメです。

柑橘精油の代替にしたり、柑橘精油と合わせてシトラス感を増強させたり、ブレンドのつなぎにしたり(シトラス系の香りは、どんな香りとも合わせやすいので)してお楽しみください。

また、レモンみたいな香りが共通しているとはいえ、それぞれ異なる成分が入っていたり、成分比率も違うため、精油ごとに香りにも個性が。対面販売の店にはテスターがあるので、ぜひ、嗅ぎ比べてマイベストを探してみてくださいね。

MoaMoa Mommy
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「ジャーマンカモミール」と「ローマンカモミール」の違いを、植物と精油で比べる

アロマメディエーターうえむらです。

カモミール精油の香りを嗅いだこと、ありますか?

カモミール精油には、ジャーマンとローマンの2種類があります。ということは、元になる植物も2種類。それぞれ香りも作用も異なります。

今回は、2種類のカモミールの植物と精油の違いを比べるという、おせっかい記事です。

ジャーマンカモミールvsローマンカモミール、植物編

カモミールの和名は「カミツレ(加密列)」。オランダ語の「kamille」に由来するそうです。

まず、2種類のカモミールの学名を見てみましょう。

・ジャーマンカモミール Matricaria chamomilla L.
・ローマンカモミール    Anthemis nobilis L.

全然違いますね。

では、植物としての特徴を比べてみます。

下の写真のカモミールは、ジャーマン、ローマン、それぞれどっちのカモミールでしょう。

ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い

似ていますが、よく見ると違いがありますよね。

下の表を見比べると、写真がどっちのカモミールかがわかりますよ。(一時、下の表が違うものと入れ替わってしまっていました。申し訳ありません。修正済みです)

ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い

答えは、上がジャーマン、下がローマンです。

外見的な見分け方は、中央の黄色い部分の盛り上がり方。

実物に触れる機会があれば、香りを嗅いで、茎や葉の部分も香るか否かで判断することもできます。

花が咲いている時期から想像することもできますね。

では、一般にカモミールティーとして飲んでいるのは、ジャーマンカモミール、ローマンカモミールどちらだと思いますか?

カモミールティーはジャーマンカモミールがおいしい

答えはジャーマン。

なぜなら、ジャーマンのほうがおいしいから(#^^#)

ローマンは苦みがあるので、苦みやクセのないジャーマンカモミールを飲むのが一般的なのです。

自分で栽培してカモミールティーを飲みたい!という方は、ジャーマンのほうを育ててくださいね。

ジャーマンカモミールvsローマンカモミール、精油編

では次に、精油としての特徴を比べてみます。

下の表をご覧ください。

ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い

植物編の表の「分類」の項目を見ていただくとわかる通り、この2つの精油の元になるカモミールは同じキク科ですが、「属」が違います。

そんなこともあって、2種類のカモミール精油は、成分も全然違います。

含有率の高い順に6つずつピックアップしたので、ご覧ください。( )内の数字は含有率の参考数字です(フレグランスジャーナル社『カラーグラフで読む精油の機能と効用』より)。

ジャーマンカモミール▼
①ビサボロールオキサイドA(57.68%)
②カマズレン(23.35%)
③Cis-t-ディサイクロエーテル(11.5%)
④ビサボロールオキサイド(4.35%)
⑤ビサボレンオキサド(4.1%)
⑥t-β-ファネッセン(3%)

ローマンカモミール▼
①アンジェリカ酸イソブチル(35%)
②アンジェリカ酸イソアミル(17%)
③アンジェリカ酸メチル(8%)
④アンジェリカ酸-2-メチルブチル(5%)
⑤イソブチル酸イソアミル(4%)
⑥イソアミル酸イソブチル(4%)

ややこしい名前ばかりですね💧

覚える必要はありません。

全然違う、ということがわかればOKです。

成分が違うということは、香りや作用も違って当然ということです。

生の花では、どちらもリンゴっぽい香りがしますが、精油になるとジャーマンカモミールは、ちょっと薬草っぽい感じに。リンゴっぽさはどこへやら(*´з`)

ジャーマンカモミール精油の成分のうち、①④⑤は、「セスキテルペンオキサイド」というグループに属する成分で、全体の約2/3を占めています。

そして、ローマンカモミール精油の成分のうち、①~⑥は、すべて「エステル」というグループに属する成分で、全体の大半を占めています。

したがって、ジャーマンカモミール精油は、「セスキテルペンオキサイド」の作用、ローマンカモミール精油は「エステル」の作用が、精油の主な作用となっています。

精油の採油率(全体の植物に対し採れる精油の量)は、ジャーマンカモミールで0.05%程度、ローマンカモミール精油で0.15%程度。

これは、数ある精油の中でも少ないほう。

つまり、精油を得るために、たくさんのカモミールを必要とするということ。ゆえに、高価です。

他の精油と比較してみると、よくわかりますね。

ジャーマンカモミール 7,200円
ローマンカモミール  5,900円
真正ラベンダー    2,000円
ペパーミント     1,700円
参考:生活の木(10ml、税抜)

高価な精油は、1ml、3mlといったサイズがあることも多いので、香りを嗅いでみたい、使ってみたいという方は、少量サイズで購入するのがおススメです!

ちなみに、1mlは20滴ほどです。

高価な精油は往々にして香りも作用も強いので、使う量(濃度)は控えめに。

ジャーマン&ローマンカモミール精油、どう使う

まずは、ジャーマンカモミール精油から。

表にも記載の通り、ジャーマンカモミール精油には、抗炎症作用や抗ヒスタミン作用、抗アレルギー作用があります。

傷ついたり、荒れたり、痒みがあるなどの肌への有効性が高く、アトピー性皮膚炎や床ずれなどのケアにもおススメです。

用途や症状に応じて、ジェルやクリームなどの基材に希釈して使うと、辛さがやわらぐと思いますよ。

そうそう、ジャーマンカモミール精油に特徴的な青い色は、②のカマズレンという成分によるものです。

カマズレンは、うがい薬の有効成分として知られるアズレンと、名前も作用も似ています。

そのカラクリは、以前、アメブロの記事でご紹介しているので、興味のある方は、ご覧くださいね。

〈カモミール関連記事〉☟
「カモミールとうがい薬の関係」

そして、ローマンカモミール精油について。

こちらも、皮膚の炎症に有効で、とくに痒みを抑えるのにおススメですが、ローマンカモミールは、心のケアに使われることが多い精油です。

①~⑥の成分がすべて「エステル」というグループに属すると先述しましたが、「エステル」は、中枢神経に対する強い鎮静作用があります。

不安や緊張、恐怖の気持ちをやわらげてくれるので、芳香浴、トリートメントなどの方法で使うとよいでしょう。不眠や躁状態などのケアにも、ぜひ!

ローマンカモミール精油には鎮痛作用もあり、肩こりや神経痛などの痛みにも有効です。痛みケアの場合は、ジェルに希釈して塗布するのがおススメです。

鎮痛作用のある精油は、他に安価で有効なものがいろいろありますが、ローマンカモミール精油は刺激が少ないので、小さいお子さんや高齢の方には使いやすくてよいですよ。

MoaMoa Mommy
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「ハッカ精油」と「ハッカ油」は、違う?同じ?カギになるのは「ハッカ脳」

アロマメディエーターうえむらです。

前回の記事では、ペパーミント精油とスペアミント精油の違いについてのお話を書きました。

今回は、ハッカ精油とハッカ油がテーマです。

ハッカ油は、薬局などで売られているのを見かけますが、量のわりに値段も安いですよね。

ハッカ油ってハッカ精油と同じなの?違うの?とギモンに思われる方のためのおせっかい記事を書きます。

ハッカ精油とは?

ハッカ精油は、シソ科ハッカ属のうち、日本の在来種や帰化種のものを原料とし、水蒸気で蒸留して採れるオイルです。

乾燥させた原料植物を水蒸気蒸留し、取卸油と呼ばれるオイルを得るのですが、これがいわゆるハッカ精油です。

ハッカ精油とハッカ油の違い
清涼感抜群!ハッカ精油

ス―っと清涼感のある成分、ℓ-メントールをたくさん(65~85%ほど)含むのが特徴です。

精油には、「和ハッカ」「コーンミント」「アルベンシスミント」などの名前がついています。

ハッカ油とは?

ハッカ油は、ハッカ精油(取卸油)をゆっくりと冷却し「ハッカ脳」と呼ばれる、ℓ-メントールの結晶成分を取り出したものを、再度、精製したオイル。

ハッカ精油から「ハッカ脳」が取り出され、ℓ-メントールが精油のときの約半分になったものが、ハッカ油なのです。

ちなみに、日本薬局方に適合する規格として、ハッカ油のℓ-メントールの含有量は30%以上と決められています。

ハッカ精油とハッカ油の違い ハッカ脳
ℓ-メントール99%以上のハッカ脳(別名:メントールクリスタル)。透明感があってキレイです

他の成分の量は、精油のときと大きくは変わりませんが、ℓ-メントールの量が少なくなることで、全体の比率が変わるので、香りの印象も、ハッカ精油のときと少し異なります。

ハッカ精油とハッカ油は、違う。でも……?

ハッカ精油とハッカ油の関係を整理すると。

・ハッカ精油=ハッカ脳+ハッカ油
・ハッカ油=ハッカ精油-ハッカ脳

「ハッカ脳」はけっこういい値段、ハッカ油がお手頃な値段、というところから判断するに、「ハッカ脳」を採った後の残りがハッカ油、という感じでしょうか。

それぞれの力関係?はともかくとしまして。

“ハッカ精油とハッカ油は違う”ということ、おわかりいただけたと思います。

で、違うには違うのですが。

ベルガモット精油からベルガプテンという成分を取り除いたものは、「ベルガプテンフリーのベルガモット精油」として販売されています。

それに倣えば、ハッカ油も「メントールリデュースのハッカ精油」なんて言えなくもないですよね。

まあ、呼び方はともかく、中身が違うのは確かです。

自分が使いたいもの、あるいは、いま自分の目の前にあるのは、どちらなのか。それさえ、わかっていればよろしいかと思います。

加工はしていても、ハッカ油は100%天然由来のもの。

どうしてもℓ-メントールがたくさん必要、というわけでなれば、お手頃な値段で買えるハッカ油を使うのもおすすめです。

ℓ-メントールは刺激もあるので、肌に使う場合など、むしろ控えめなほうがいい、ということもあるかもしれません。

ハッカ油の使い方と注意

ハッカ油は、ℓ-メントールの一部を取り除いただけのものなので、基本的に精油と同様の使い方でよいでしょう。

入浴剤として、ボディスプレーとして、芳香剤や消臭剤など、いろいろな用途に使えます。

ただ、ℓ-メントールが少なくなっているとはいえ、濃縮されたオイルであることに変わりはありません。禁忌も、ペパーミントやハッカの精油と同様とお考えください。肌につけるものは、十分な希釈が必要です。

このとき、水だけで希釈しても、ハッカ油(オイル)と水は混じり合わず、よく振って使っても、原液のごく小さな粒が肌につくことになってしまいます。

乳化できる基材を使用するなどして、できるだけ刺激を抑えてクラフト製作することをおすすめします!

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「ペパーミント精油」と「スペアミント精油」の違いを知りたい!答えはメントールの〇〇

アロマメディエーターうえむらです。

ペパーミントもスペアミントも、「名前はどっちも知ってるよ!」という方が大半ですよね。

でも、それらの違いをご存知の方は、少ないかもしれません。

ハッカ精油とペパーミント精油の違いについては、先日のおせっかい記事でお伝えしました。

ペパーミント精油とハッカ精油の違い、
わかりますか?

こちらの記事に書いた内容と一部重複しますが。

今回は、ペパーミント精油とスペアミント精油の違いについて、おせっかい記事を書いてみます。

ペパーミントとスペアミントは、親子の関係

ペパーミントは、スペアミントとウォーターミントが交雑して生まれた品種と言われています。

つまり、ペパーミントとスペアミントは、親子の関係にあり、品種の違う植物であるということ。

片方の親のウォーターミントは、別名「ミズハッカ」「ヌマハッカ」。その名前からも想像できる通り、沼地や湿地で育つ湿性植物です。

もう片方の親のスペアミントは、葉の先が槍(Spear)のようにとがった形状をしていることがその名の由来。「オランダハッカ」「ミドリハッカ」などの別名があります。

・ウォーターミント(ミズハッカ) Mentha aquatica
・スペアミント(オランダハッカ) Mentha spicata L.
・ペパーミント(セイヨウハッカ) Mentha × piperita

ペパーミントもスペアミントも、ハーブとしても精油としても一般的ですが、ウォーターミントの精油には、私は出会ったことはありません。

ペパーミントとスペアミントは、香りが違う

まずは、香りの違いを比べてみましょう。

ペパーミントは、強い清涼感と甘さが特徴。

スペアミントは、マイルドな清涼感に加え、ペパーミント以上の甘さが感じられます。

スイーツやアイスティーに添えたり、ミントティーやモヒートに使われたりするのは、スペアミントが多いようです。

ペパーミントとスペアミントの違い
スペアミントはスイーツのデコレーションの定番!

この香りの違いは、成分の違いによるもの。

精油の成分を比べてみると……。

ペパーミントやハッカには、強い清涼感の素ℓ-メントールという成分が含まれていますが、スペアミントには、ℓ-メントールは含まれていません。

つまり両者の違い、答えは「ℓ-メントールの有無」。

スペアミントの清涼感は、ℓ-メントールではなく、ℓ-カルボンという成分によるもの。

香りはℓ-メントールとも少し似ているのですが、清涼感はマイルドです。

精油を嗅ぎ比べても、けっこう違いがあります。

成分を比較すると、両者の違いがよくわかりますよ。—以下、フレグランスジャーナル社『カラーグラフで読む精油の機能と効用』より

ペパーミント/スペアミント精油の成分トップ5

ペパーミント
1.ℓ-メントール     38%
2.ℓ-メントン    17.3%
3.メントフラン    7.4%
4.1.8シネオール     7%
5.酢酸メンチル    3.8%

スペアミント
1.ℓ-カルボン     67%
2.リモネン     9.3%
3.1.8シネオール    2.6%
4.ミルセン     2.5%
5.酢酸カルベニル   2%

トップ5の成分で共通しているのは、1.8シネオールのみですよね。

6位以下の成分にも、共通する成分はあまりなく、強いて言えば、ペパーミントにも少しだけリモネンが入っている、くらいでしょうか。

ペパーミントとスペアミントの精油は、作用も違う

成分がこれだけ違うということは、作用にもそれなりの違いがあるということです。

ペパーミント精油は、主要成分ℓ-メントールのもつ抗菌作用や抗ヒスタミン作用、筋肉弛緩作用・鎮静・覚醒作用などが、特徴的な作用として挙げられます。

一方、スペアミント精油は、主要成分ℓ-カルボンのもつ粘膜溶解作用、脂肪分解作用などが主な作用です。

このℓ-カルボンは、ケトン類に分類されますが、一般に注意が必要とされるケトン類の神経毒性はないとされています。

つまり、ケトン類の成分だけど、安全性が高いということ。

ペパーミント精油に2番目に多く含まれるℓ-メントンという成分もケトン類ですが、こちらは少しだけ注意が必要です。

1%程度に希釈して、部分的に塗るといったレベルであれば、通常、なんら問題はありませんが、妊婦さんや授乳中の方、子ども、てんかんの持病がある方などは、ご注意ください。

ℓ-メントンならではのプラス作用もあるので、一般の大人であれば、多量、広範囲、高濃度などには気を付けて使う、という程度でOKです。

ペパーミント精油とスペアミント精油、それぞれの香りの特徴や作用の違いに合わせて、上手に活用してくださいね!

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「ペパーミント精油」と「ハッカ精油」の違い、わかりますか?答えはメントールの〇〇〇

アロマメディエーターうえむらです。

ペパーミントもハッカも知っている。

味も香りも、だいたい同じような気がするけど…。

この2つって、ホントは違うの?同じなの?

違うなら、何が違うの?

というあなたのためのおせっかい記事です。

ペパーミントとハッカは違う植物?同じ植物?

ペパーミントは、別名「セイヨウハッカ」。原産はヨーロッパ南部で、スペアミントとウォーターミントの交雑種と言われています。

一方のハッカは「ニホンハッカ」の通称。「和ハッカ」「和種ハッカ」とも呼ばれる日本の在来種(=古くからその地域に存在する生物種)です。

ペパーミントとハッカ、それぞれの植物の学名を比べてみましょう。比較のため、クールミントも明記します。

・ペパーミント(セイヨウハッカ)Mentha x piperita L.
・ハッカ(ニホンハッカ)Mentha canadensis var. piperascens
・クールミント(ヨウシュハッカ)Mentha arvensis L.

読めなくても、一部が同じ、一部が違うことはわかりますよね。

どちらも、シソ科ハッカ属の植物ですが、品種が違うということです。

ちなみに、ペパーミントには、ブラックペパーミントとホワイトペパーミントがありますが(どちらも同じ品種)、葉の形状などを見る限り、ブラックタイプがウォーターミントに近く、ホワイトタイプがスペアミントに近い印象があります。

人間と同じ、父親似だったり、母親似だったり、という感じでしょうか。

ペパーミントとハッカの香り、どう違う?

ペパーミントとハッカは種は違うのですが、どちらもシソ科ハッカ属の植物で、同じ成分もたくさん含んでいるので、そこから採れる精油の香りも似ているのです。

でも、嗅ぎ比べるとやっぱり、はっきりと違いがあります。

薄荷とペパーミントのエッセンシャルオイルの違い
同じ仲間だけど、違う精油

どちらも、スーッとした清涼感が特徴ですが、ペパーミントはしっかりとした甘さを感じます。ハッカのほうはよりくっきりシャープな清涼感が感じられます。

このスーッとした清涼感の正体は、ℓ-メントールという成分。それぞれの精油への含有比率は……。

・ペパーミント精油  35~50%
・ハッカ精油     65~85%

ハッカに軍配があがります。清涼感の強さは、このℓ-メントールの含有量の多さなのです。

つまり両者の違い、答えは、ℓ-メントールの含有量。

そして、ペパーミントにはメントフランという、ハッカ精油にはない成分が含まれています。これがハッカ精油にはない甘さをミント精油にもたらしているのです。

もちろん、他にも違いはありますが、この2点を知っておけば、成分分析表を見たとき、すぐに見分けがつくはずです。

クールミントは、ペパーミントかハッカか?

ここでちょっと脱線して。

学名のところで、比較のために明記したクールミントについて説明を加えます。

クールミントと言えばアレ!

某有名お菓子メーカーのガムの名前で有名ですよね。

学名からすると、ペパーミントともハッカとも別の品種⁉という感じなのですが。

ハッカ属の植物は種類がとても多いうえに交雑しやすく、品種改良も盛んです。そして、学名の分類方法が時代とともに変化したりもするので。

いろいろと、ややこしくなっているようです。

クールミントは「ヨウシュハッカ」「コーンミント」「アルベンシスミント」などとも呼ばれるヨーロッパ原産の帰化種(=外来の植物のうち、野生で定着している生物種)のニホンハッカ。

そう、考えていただいてよいかと思います。

精油成分的には、ℓ-メントールの含有量が多いタイプなので、「コーンミント」「アルベンシスミント」という名前の精油に出会ったら、ハッカ精油とご理解ください(クールミントという名称の精油は、私の知る限り見当たりません)。

精油については、成分分析表を見れば、ℓ-メントールの含有量でペパーミントかハッカ、どちらのタイプかがわかりますよ!

ℓ-メントールの冷感作用に注目!

ℓ-メントールには、抗菌、抗炎症、抗ヒスタミン、筋肉弛緩、鎮静・覚醒、冷感、知覚麻痺など、いろいろな作用があります。

それゆえ、使い勝手もよいのです。

ドラッグストアに行ったら、市販の医薬品、医薬部外品の箱の裏を見てみてください。かなりの商品にℓ-メントールが使われていることがわかりますよ。

ここで、ℓ-メントールの冷感作用について少し掘り下げてみましょう。

ℓ-メントールという成分そのものが、冷たい物質というわけではありません。

食品の香料として入っているものを食べたり、医薬品などに入っているものを塗ったりしたときに、実際に体温が下がったりするわけでもありません。

これは、皮膚に触れたときに、皮膚の温度センサーが冷たさを感じるという作用で、実際の皮膚や身体の温度とは無関係なのです。

おもしろいことに。

資生堂製品開発センター香料開発室が行った、「ペパーミントの香りを嗅ぎながら水に手をつける」という実験では、香りなしの場合に比べて体感温度が4℃下がるという結果が得られたそうです。

嗅いだだけでも!

冷たくもないし、冷えてもいないのに、嗅いでも、触れても冷たい、涼しいと感じるというユニークな成分。 クールダウンしたいときに、ぴったりですね。

メントールが効く!クールボディミストのススメ

この夏は、ハンディ扇風機が大活躍でしたが、体温より高い温度下で風を当て続けると、熱中症のリスクを高めてしまうとか。

そんなときは、スプレーなどでミストを吹きかけながら風を当てると、体温も下がってよいそうです。

ペパーミントやハッカの精油入りのミストなら、さらに涼しさを味わえますね。手作りのクールボディミスト、おススメですよ!

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ミント・ハッカ精油の嗅ぎ比べ、クールボディミスト作りは「パーソナルクラフト製作」がおすすめ!HPの連絡フォームより承ります。