アロマメディエーターうえむらです。
アロマをよく知らない多くの方々にとって、アロマテラピーで使う香りのオイルは「アロマオイル」。
いえ、最近ではアロマを仕事にしている方でさえ、普通に「アロマオイル」と口にするほどに浸透しているこの呼び方。
一方で、エッセンシャルオイル、精油と言う人もいて、アロマオイルとの違いが、いまひとつわからない。
今回は、そんな方々のためのおせっかい記事です。
“精油”が、いつのまにやら“アロマオイル”
1980年代、アロマテラピー(芳香療法)という言葉が日本に紹介され、1995年にロバート・ティスランドの『芳香療法の理論と実際』が翻訳・発行されてから、かれこれ25年。
アロマテラピーという言葉は、いまや多くの人に知られるものとなっています。
とはいえ、いまだ「香りを使った癒し」程度の認識が一般的で、アロマテラピーの実態は勉強をした人以外は、あまりよくわかっていないというところでしょうか。
私がアロマを学び始めたのは、たぶん今から23年前。その頃、アロマテラピー市場に「アロマオイル」という呼び方はなかったように思います。
アロマテラピーで使うのは、植物から採れる100%天然の香りのオイルで、それは「エッセンシャルオイル」「精油」と呼ぶと教わりました。
厳密にいうと、抽出の仕方などによる呼び方の違いがあるのですが。
植物から採れる100%天然の香りのオイルと、そうでないものを区別するための呼び名として、英語の「エッセンシャルオイル」、日本語の「精油」、どちらでも好きなほうを使えばOK!
だったのです。ところが……。
いつのまにやら「アロマオイル」がアロマテラピーで使うオイルの名称のように広まっていきました。
本当に、いつのまにやら……。
「アロマオイル」は通称
「アロマテラピー用のオイル」が省略されて「アロマオイル」ということなのかもしれませんが、この言葉には、落とし穴があります。
まず、アロマというのは、フランス語で「香り」を意味する言葉。ここに「植物」とか「100%天然」の概念はありません。
一方、「エッセンシャルオイル/精油」という言葉には「植物から採れる100%天然の」という意味が含まれています。
ここで「アロマオイル」、「エッセンシャルオイル/精油」の意味を整理すると、こういうことです↓
・エッセンシャルオイル/精油=植物から採る100%天然のオイル
そして「アロマオイル」という言葉の解釈を整理すると、こういうことです↓
B.香りがするオイルの“総称”
2通りの解釈があります。これこそが、落とし穴。
Aさんが合成香料の「アロマオイル(B.総称)」を売り、Bさんはそれを100%天然の「アロマオイル(A.通称)」だと思って買う。
100%天然でも、100%合成でも、天然と合成のミックスでも、香りがするオイルならどれも「アロマオイル」と言って間違いではありません。
だから当然、Aさんが合成香料に「アロマオイル」と表記して売ることに、なんら問題はないのです。
自分は天然のものだと思って買った・使ったものが合成香料だったとしても、あなたが勝手にそう思っただけでしょ、と言われれば、その通り。
不親切だ!と不平不満を言ったところで、誰にも、なんの保障も責任も問えないのです。
「天然アロマオイル」はOK?もう1つの落とし穴
最近は、ヘアケアやコスメ、洗浄剤など、多くの市販品に「天然アロマオイル配合」とか「天然アロマの香り」という宣伝文句が使われています。
アロマとか、アロマオイルという言葉に「天然」という枕詞がついていれば、「エッセンシャルオイル/精油」を指していると解釈するのが妥当です。
ただし、ここにも落とし穴が。
「天然アロマオイル配合」は、天然の香りのみとは限らないということです。
1%が天然で、99%が合成でも、天然の香りを配合しているのは事実。100%天然だと思ったのに……は、やっぱり、あなたが勝手にそう思っただけでしょ、ということに。
不親切だ!と不平不満を言ったところで、誰にも、なんの保障も責任も問えないのです。
「天然アロマの香り」は、言わんとしていることはわかりますが、日本語的にツッコミどころが。
先程も触れたように、アロマの意味は香り。普通に日本語にすると「天然の香りの香り」。
「頭痛が痛い」「馬から落馬する」的な(笑)
また仮に、アロマを「エッセンシャルオイル」と読み替えたとすると、今度は「天然のエッセンシャルオイルの香り」となります。
いいんじゃない?という気もしますが。
エッセンシャルオイルには、天然の意味が含まれています。なので、重箱の隅をつつくようで恐縮ですが、普通に日本語にすると。
「天然の100%天然のオイルの香り」という感じになるわけです(^^;
アロマテラピーは“自己責任”だから気を付けて!
アロマテラピーで使うのは「エッセンシャルオイル/精油」と教わり、編集者・ライターとして、日本語表現に気を使ってきた私としては、「天然アロマの香り」なんて、どうにも気持ちが悪い(笑)
シンプルに「エッセンシャルオイル(の香り)」か「100%天然(の香り)」でいいのに、と思うのですが。
いまはもう「アロマオイル」がアロマテラピーで使う香りのオイルで、それは100%天然なんだ!
というイメージが、多くの人に刷り込まれてしまっているから。
正しくなくても、変でも「アロマオイル」と表現するのが、最も伝わりやすいんでしょうね。
だから、通称としてはこれでOK!と思っているんです。
なのに、こんなメンドクサイおせっかい記事を書いた理由、言葉の意味を正しく知ってほしい一番の理由は……。
「アロマオイル」=100%天然の香りとは限らない。合成香料だらけの安物を掴まされても、健康被害などが起きても、すべて自己責任だから気を付けてね!
ということ。
みなさんが、気持ちよく、安全に植物の恵を享受できることを心より願っています!
▶MoaMoa Mommy
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