アロマメディエーターうえむらです。
前回の記事では、ペパーミント精油とスペアミント精油の違いについてのお話を書きました。
今回は、ハッカ精油とハッカ油がテーマです。
ハッカ油は、薬局などで売られているのを見かけますが、量のわりに値段も安いですよね。
ハッカ油ってハッカ精油と同じなの?違うの?とギモンに思われる方のためのおせっかい記事を書きます。
ハッカ精油とは?
ハッカ精油は、シソ科ハッカ属のうち、日本の在来種や帰化種のものを原料とし、水蒸気で蒸留して採れるオイルです。
乾燥させた原料植物を水蒸気蒸留し、取卸油と呼ばれるオイルを得るのですが、これがいわゆるハッカ精油です。
ス―っと清涼感のある成分、ℓ-メントールをたくさん(65~85%ほど)含むのが特徴です。
精油には、「和ハッカ」「コーンミント」「アルベンシスミント」などの名前がついています。
ハッカ油とは?
ハッカ油は、ハッカ精油(取卸油)をゆっくりと冷却し「ハッカ脳」と呼ばれる、ℓ-メントールの結晶成分を取り出したものを、再度、精製したオイル。
ハッカ精油から「ハッカ脳」が取り出され、ℓ-メントールが精油のときの約半分になったものが、ハッカ油なのです。
ちなみに、日本薬局方に適合する規格として、ハッカ油のℓ-メントールの含有量は30%以上と決められています。
他の成分の量は、精油のときと大きくは変わりませんが、ℓ-メントールの量が少なくなることで、全体の比率が変わるので、香りの印象も、ハッカ精油のときと少し異なります。
ハッカ精油とハッカ油は、違う。でも……?
ハッカ精油とハッカ油の関係を整理すると。
・ハッカ油=ハッカ精油-ハッカ脳
「ハッカ脳」はけっこういい値段、ハッカ油がお手頃な値段、というところから判断するに、「ハッカ脳」を採った後の残りがハッカ油、という感じでしょうか。
それぞれの力関係?はともかくとしまして。
“ハッカ精油とハッカ油は違う”ということ、おわかりいただけたと思います。
で、違うには違うのですが。
ベルガモット精油からベルガプテンという成分を取り除いたものは、「ベルガプテンフリーのベルガモット精油」として販売されています。
それに倣えば、ハッカ油も「メントールリデュースのハッカ精油」なんて言えなくもないですよね。
まあ、呼び方はともかく、中身が違うのは確かです。
自分が使いたいもの、あるいは、いま自分の目の前にあるのは、どちらなのか。それさえ、わかっていればよろしいかと思います。
加工はしていても、ハッカ油は100%天然由来のもの。
どうしてもℓ-メントールがたくさん必要、というわけでなれば、お手頃な値段で買えるハッカ油を使うのもおすすめです。
ℓ-メントールは刺激もあるので、肌に使う場合など、むしろ控えめなほうがいい、ということもあるかもしれません。
ハッカ油の使い方と注意
ハッカ油は、ℓ-メントールの一部を取り除いただけのものなので、基本的に精油と同様の使い方でよいでしょう。
入浴剤として、ボディスプレーとして、芳香剤や消臭剤など、いろいろな用途に使えます。
ただ、ℓ-メントールが少なくなっているとはいえ、濃縮されたオイルであることに変わりはありません。禁忌も、ペパーミントやハッカの精油と同様とお考えください。肌につけるものは、十分な希釈が必要です。
このとき、水だけで希釈しても、ハッカ油(オイル)と水は混じり合わず、よく振って使っても、原液のごく小さな粒が肌につくことになってしまいます。
乳化できる基材を使用するなどして、できるだけ刺激を抑えてクラフト製作することをおすすめします!
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